スパイ教室04 感想 ネタバレあり
今回はスパイ教室の第4巻を読み終えたのでそちらの感想を書いていきたいと思います。
今回もネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読の方はご注意ください。
スパイ教室04 《夢語》のティア(著者:竹町 イラスト:トマリ)
ではいきますね。
今回は2巻3巻で分担されていた少女たちが再びそろって挑む任務が描かれていました。これまでの死闘を超え成長してきたメンバーたちVS「蛇」の一人である<紫蟻>。どのパートもかなり読みごたえがありとても面白かったです。
今回は注目ポイントをいくつかにわけて書いていきますね。
まずはなんといっても物語の間に挟まれていた間章。
今回の巻では<紫蟻>にとらえられた<彼女>が殺されかけている場面から始まり、そこまでに至った経緯を紫蟻が振り返るという形から物語が動いていきます。
読み終わってみるとこの段階からすでに嵌められていたという感じですよね(笑)
今回も相変わらずの巧妙な罠が仕掛けられていたとは……
結論からいえば時間のトリックですよね。読者からすれば<紫蟻>にとらえられ血を流している<彼女>は灯メンバーのだれかであると思うわけで。自分もなぜか<彼女>は少女であるとずっと思っていたわけですが、改めてみると「予想よりもずっと若い」と書かれているだけ。この言葉からも完全に灯のだれかであると思考を誘導されていたのでしょうね。
そして読み進めていくと徐々に謎が生まれて生きて。
まずは少女の傷がそもそもここから助かるものなのか?という疑問。そしてローランドの発言や噂になっている英雄の話。こういったピースが一つ一つはまった瞬間。すべてがつながった時の鳥肌がほんとにすごかった。これぞスパイ教室という感じ。
やっぱりこの作品は面白い強く感じましたね。
そしてここで描かれていた<彼女>の正体。それが焔のトップだった紅炉さんで。
紫蟻に致命傷を負わされながらも彼女が残した希望の種。
「黒髪の少女」が現れて救ってくれる。
ティアとの出会いにより自分の意思を次いでやがて働き蟻たちを救うと確信していたからこその行動。めっちゃかっこいい。
紅炉さんの生きざまが素敵すぎました。ティアに対する思いやクラウスへの信頼も胸が熱くなりましたね。
そして紅炉さんの期待に応えるように立ち上がるティア。
マティルダにはめられたことですっかり自信を無くし今回もずっとティアの葛藤が描かれていました。周りが成長するなかで自分だけがなにも変わっていないと落ち込み、そして最高のパフォーマンスを見せる仲間の連携に自分がいないことを感じ。
そんなティアの覚醒は王道だけどやっぱり熱い展開で。それを支えたのが紅炉さんの残したものだけでなく、仲間からの言葉だったのもよかった。
これから彼女が紅炉を継ぐように敵をも救うスパイとして活躍するようになることを期待。
そして彼女の覚醒に伴い明らかになったローランドの正体。
まさかの間章で出てきた愛犬だったは。かなり驚きでしたね。
たしかにローランドが聞いた「心を満たせるものがいる」という言葉。これは紅炉さんが紫蟻に向けていった言葉なのになぜ彼が知っているのか。そんなとこにヒントがあったとは。
彼の最後は灯のメンバーに看取られるとういものでしたが、数々の殺戮を起こした彼をにティアが手を差し伸べたからこその最後だと思うとすごくいいですよね。
他にも今回はティア以外のメンバーの成長ぶりがすごかったですよね。クラウスに出会うまでは才能があるけど落ちこぼれだった面々が、今では立派にクラウス抜きでも戦うことができていて。それぞれのバトルもかなり見ごたえがあって面白かったです。
特にグレーテはかなりたくましくなりましたね。今回は作戦の立案、そしてティアへの助言と常に最高の立ち回りをした彼女。モニカやアネットもその才能をいかんなく発揮し、これからさらにこのメンバーの連携が見れると思うと楽しみですね。
またクラウスの本当の能力にも触れられていていました。彼が本当にすごいのはその「成長」。今後さらに強い敵が出てくると思いますが、クラウスの本気がいつみられることになるのか。
今回は一つの区切りとしてほんとに面白く描かれていたと思います。
白蜘蛛との会話でも触れられてた「蛇」の目的。そのことが明らかになるのはまだ先かもしれませんが、とにかく楽しみですね。
長くなりましたが今回はこの辺で。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。