とうかのブログ

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ぼくたちのリメイクVer.β3 感想 ネタバレあり

今回は7月にアニメ放送も決まっているぼくたちのリメイクのifストーリであるβ3を読み終えたのでそちらの感想を書いていきます。

 

ネタバレありで感想を書いてくので未読という方はご注意ください。

 

 

 

ぼくたちのリメイクVer.β3 (著者:木緒なち イラスト:えれっと

 

 

 

ぼくたちのリメイク Ver.β 3 (MF文庫J)

ぼくたちのリメイク Ver.β 3 (MF文庫J)

  • 作者:木緒 なち
  • 発売日: 2021/04/24
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

茉平常務に一矢報いてBCCという新たなゲームメーカーにてプラチナ世代と再び企画を始める恭也達。新しいゲーム会社の社長はアパートの管理人をやっていた伊地川というサプライズはあったものの、大きな問題がなく順調に企画は進んでいく。

しかしその裏で恭也たちに報復をたくらむ茉平常務の動きがあり……

恭也たちと茉平常務の戦いにいよいよ決着!

 

 

 

ということでぼくリメの本編のIFストーリーにあたるverβシリーズの第3巻。

この3巻でβシリーズは完結ということになってしまいましたが、最高の巻を仕上げてくれたと思います!

話したいことがあるので順を追って書いていきますね。

 

 

 

茉平常務に一矢報いることに成功した恭也たち。恭也たちを受け入れてくれたのは伊地川さんで会社での待遇もなんの問題もなし。おまけに移籍に伴う問題にも事前に対応していたおかげで目立った妨害はないという最高のスタートを切ることができました。

まあだからこそ不穏な空気はずっとあったわけですが……

それでもクリエイターたちとともに最高のゲーム作りをできることに恭也や河瀬川をはじめとしたメンバーが活気づいていました。

 

この段階ではいたって平穏そのもの。河瀬川と伊地川さんの弁当のくだりなんかはすごい笑えました(笑)

河瀬川は本編でも素直になれないところがあってそれでも懸命にアピールしてるところはほんとに可愛いですよね。βを読めば読むほど河瀬川を好きなる。

 

 

そしてこの段階から本編ではおなじみの貫之、シノアキ、ナナコのプラチナ世代が大きくかかわってくることになります。恭也が芸大に行かなかった世界線で築き上げられた彼らのきずな。彼らだけの思い出。

本編を読んでるからこそこのありえたかもしれない過去に思いをはせる面々にはグッときますよね。何より恭也が関わらなくても成功している三人だけど、恭也がいたからこそ起こっていたイベントの数々があったということが本編を読んでる身からしたらすごくよかったです。

 

 

 

場面が飛んで貫之が後れを取り戻しこのまま順調にいくと思われたとき。

ここでまたしてもあの男がやってきました。

茉平常務が貫之がミスクロのシナリオを流用することを見越して、そのシナリオで先にゲームをリリースしました。

恭也が鉢谷と話をつけているときから嫌な予感はしてましたがほんとに最悪のタイミングでしかけてきますよね……

一度は止まりかけた企画にゴールが見えてきた瞬間の絶望。これにはさすがの貫之も降板を選ぶことに。貫之だけでなく今までずっとこの企画を支えてきた九路田も休職を選んでしまいます。

このときの貫之の言葉がほんとにつらい。自分たちクリエイターは使われるだけの存在なのかもしれない。

全力で創作活動に命を燃やしてきたのにも関わらず、自分の意思とは関係なく今までのものをなかったことにされてしまう。この絶望がどれほどのものか。

 

 

 

またすべてを失うことになった恭也の前に現れた茉平常務。

彼がゲーム作りに対して抱く感情の大きさ。そして何が彼をそうさせてしまったのか。茉平が何を思っているのかはわからなかったですが、自分はそれでもゲームを作るのをやめないと宣言する恭也。

しかしすべてを失ってなにができるかもわからず途方に暮れる恭也は秋葉原のショップに踏み入れます。

そしてここで恭也に再び火をつけたのがシノアキ。彼女の画集に恭也の思いが届いていたこと。そしてTwitterに投稿された一枚の絵。

 

やっぱり背中を押すのはシノアキでした。本編でもそしてスピンオフでもシノアキの良さは変わらない。シノアキのあのイラストは挿絵もあり破壊力がすごい。曇っていた世界に日差しが差し込んできたかのようなそんな希望の光のようなイラスト。

 

 

 

そしてここからが橋場恭也の見どころ。快進撃。

何度心を折られようともゲームを愛するその気持ちで立ち上がる。

生配信で語った彼のゲームに対する思い。そしてそれに火をつけられたみんな。

 

クリエイターものの良さここにあり!といわんばかりの熱すぎる展開に鳥肌が止まらなったです。なんていうか言葉一つ一つが胸に来るっていう感じがするんですよね。

色々なしがらみがあって動くことができてない人たちに、気持ちだけで進むことの美しさを伝えてくれるようなそんな感じ。

発売日もスタッフも会社もお金も。何も決まっていない。あるのは作るという意思だけ。それでもその意思が周りに火をつけていく。

恭也まじでかっこいい!

 

 

 

そしてそして。会社を辞め0からスタートすることを決意した恭也についてきたのはほかでもない河瀬川。

正直河瀬川ルートがほんとに実現するなんて思ってなかった。だからこそめちゃくちゃ嬉しかったですね。ヒロインとしての魅力はもちろんなんですが、恭也の隣にたつ人物として河瀬川ほどふさわしい人がいないんじゃないかってレベル。

とにかく最後のシーンは河瀬川ファン必見。まじで最高でした!

 

 

 

ながながと話ましたがまとめに入りますね。

このβは本編にとってはスピンオフ的な物語。けれどほんとでいえば本編こそがありえたかもしれないもう一つの世界を描いたIFストーリーなんですよね。

上でも書きましたが本編で恭也がやってきたことは大きな影響をみんなに与えていたと思わせてくれる描写が3巻ではいくつもありました。シェアハウス北山のメンバーでゲームをつくることはなく。九路田のライバルとして立ちふさがる人物はおらず。プラチナ世代のメンバーをまとめ旗を振る人物はおらず。ほかにも竹那珂さんは恭也がいなかったからサクシードでバイトをすることもなく芸大に進まなかった。

本編で描かれた恭也がいたことによって変えられてしまった歴史。でも恭也がいなかったら生まれることのなかった歴史もたしかにあったと感じさせてくれるものがβには詰まっていたと思います。

だからこそ本編はβがあってさらに輝く話だと思うし、βは本編があるからこそ輝く話だったのかなと思います。

βで大きく壁となった茉平常務の過去は今回は明かされなったですがこれは本編で芸大の恭也が解決してくれるからでしょう。茉平さんがああなってしまわないように恭也がどんな活躍をするのか。

 

βは学生とは違い社会の厳しさをよりリアルに描いてくれていて本編とは違った面白さがあるわけですが、本質のクリエイターものの熱さはどちらにも間違いなくありだからこそ読んでて背中を押してもらえる。

βはこれで完結ですが、本編はまだ続くのでそちらを楽しみにしていきたいと思います。

 

それでは今回はこの辺で。最後まで読んでくださったかたありがとうございます。