とうかのブログ

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現実でラブコメできないとだれが決めた?3巻 感想 ネタバレあり

今回はガガガ文庫から刊行されているラブだめの3巻を読み終えたのでそちらの感想を書いていきます。

 

ネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。

 

 

 

現実でラブコメできないとだれが決めた?3 (著者:初鹿野 創  イラスト:椎名くろ)

 

 

 

 

 

 

それではいきますね。

 

 

生徒会選挙。ラブコメの世界では様々な物語が生まれる学校行事の一つ。

そんなチャンスを逃すことなく、耕平はこのイベントに向けて計画を進めていた。

日野春幸を生徒会長にする。

これまでの生徒会の活動、そして過去に行ってた実績。それらを踏まえて生徒会長にふさわしいと思われる日野春幸の選挙活動を支えるため上野原と準備を進めていたが、予想外のことに日野春幸は生徒会長に立候補をせず……

日野春幸が生徒会長に立候補しない理由を突き止めるため今回も耕平が動き回る。

 

 

 

ということで今回のヒロインは生徒会役員の先輩である日野春幸。

これまでの話ではまだ謎多き先輩として登場していた彼女の抱える悩みについて描いてくれていました。

 

理想と現実

3巻を一言で表すとしたらきっとこれになるでしょう。

日野春先輩は高校に入るまでは自分が楽しいと思うことに全力で、周りも巻き込んでまっすぐ突き進むある意味耕平に似た人物。そんな彼女が高校に入って味わうことになる挫折。自分の掲げた理想についてくる人がいなくなってしまった孤独感。

立ちどまったことで周りと自分の温度差に気づいてしまう。

高校で夢見た最高に楽しい時間を作るための活動は周りの人は求めていない。

それに気づき自分を曲げたら周りから受け入れられるようになってしまった。

 

日野春先輩が抱える悩みは子どもが大人になる過程で味わうものの一つ。

現実を見る。周りに合わせる。そうすることで円滑にヒトと関われるようになる。

どっちが正しいといえるわけでないのがまた何とも言えないですよね。

読者の多くが共感できるところを扱っていたんではないでしょうか。

 

 

そして今回もそんな現実的な悩みをぶち壊してくれたのが耕平です。

耕平も理想を掲げそれに向かって走り続ける一人。だからこそ日野春先輩の心を動かすことができたんでしょうね。

清々しいほど大馬鹿で純粋な耕平はなんだかんだかっこいいんですよね。周りが見えてないとかそういうのじゃなくて、理想に向けて全力だからこそ暑苦しくても愛せるキャラ。

 

 

耕平の活躍で悩みが吹っ切れた日野春先輩は本当に楽しそうで。しがらみから解放されて耕平とともにまっすぐ進んでいく彼女の魅力はやばかったですね。

おっとり先輩もよかったけど、こっちの先輩も最高。

 

 

 

なんだかんだ日野春先輩を救い出し、全力でラブコメすることに成功した耕平たち。

ページ数も残りわずかで今回もハッピーエンドで終わり。

 

と思わせての最後の展開。

まさかのどんでん返しに驚きですよね。読んでる最中なんど手が止まったことか。

3巻の清里の行動は表立ってない分不気味に感じられていたんですが本当にえげつない爆弾仕込んでいましたね。

塩崎先輩の不信任。そして中学校で生徒会長をやっている大月さんへのバッシング。日野春先輩の新しい挑戦を含めた生徒会選挙で起こった出来事への批判。

 

「「「「「「「現実をみようよ」」」」」」」

 

最後のページの使い方がえげつなすぎる。

ただのハッピーエンドで終わらせないのがこの作品っていう感じでとにかく引きが毎回やばいんですよね。

 

この作品ラブコメを作り出すという設定ながら主人公がやっていることは普通にラブコメなんですよね。

じゃあなにが違うかって、それに対する周りの目があること。

普通の作品なら主人公たちの周りで起こっていることに対してほかの一般生徒が何かを思うことってないんですよね。

ただこの作品はそこが違う。「現実」だからこそ普通であることの圧力が働く。「現実」だからこそほかの人と違う行動は異分子扱いされる。

最後の展開はこの世界観を最大限に生かした絶望だったなと思いますね。

 

 

 

今回は最後の展開が怖すぎてそっちにどうしても目が行ってしまうわけですが上野原さんが個人的には良かった。

上野原は耕平と過ごす中でどんどん自分が普通であることを強く感じてしまう。

共犯者であり幼馴染という枠がなくなれば自分は普通の人。

それが嫌だからこそ耕平に協力していたのに、どこまで行っても自分が普通から抜けれないことに嫌気がさしている。そんな彼女の葛藤が様々な場面で描かれていました。

上野原が今後耕平と関わるなかで揺れ動く葛藤をどう乗り越えるのか今後にすごい期待したいです。

最初から推してるヒロインだからぜひぜひ頑張ってほしい。

 

 

 

そんなわけで今回は日野春先輩と耕平の熱い青春をかき消すような最後の展開にぞっとする恐怖を植え付けられて物語が終わってしまったわけですが、今後どのような展開が待っているのか。最後の展開によって日野春先輩たちにも再びどんな影響があるかもわからないのでほんと次の巻が待ち遠しいです。

 

 

 

色々書きましたが今回はこの辺で。読んで下さったかたありがとうございます。