とうかのブログ

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パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。 感想 ネタバレあり

今回は5月にガガガ文庫から刊行された新作、「パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。」を読み終えたのでそちらの感想を書いていきます。

 

感想はネタバレありで書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。

 

 

 

パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。 (著者:持崎湯葉 イラスト:れい亜)

 

 

 

 

 

 

 

主人公の梶野了はお隣さんのJK香月乃愛がパパ活しているところを仕事帰りに目撃する。梶野はちょっとした正義感から乃愛に対し、パパ活していることを周りに言われたくなかったら犬の散歩をするように要求する。

仕事が忙しく犬の散歩をすることができなくなっていたアラサーサラリーマンの梶野了と、少し達観したわけあり女子高生の香月乃愛の送るドタバタラブコメディ。

 

 

 

ということで。こちらの作品は最近よくある女子高生×サラリーマンもののお話。

こういう作品についてくるのは女子高生のほの暗い過去であったり、犯罪と隣合わせの関係に思い悩まされたりといった重めのストーリー展開。

 

しかしながらこの作品、それらの作品と比べると非常にポップで軽快なやり取りで文章が紡がれていてなかなか印象的な作品でした。登場人物たちがなんともいえない残念感(誉めてます)がありそこがこの作品の面白いところ。

 

 

パパ活JKの乃愛は30歳以上の男にしか興味がなく加齢臭を好む重度のにおいフェチ。

隙あらば梶野のにおいをかぐため梶野に近づきにおいを堪能。

正直言ってもう手がつけらない感じがかなりつぼりました(笑)

フェチを扱った作品はそこそこ見かけますが、これをパパ活JKと合わせてきたのがかなり新鮮でした。内容自体はシリアスになるところもそれまでの変態具合がやばすぎてどこかシリアスになりきってない感じも個人的には良かったかもです。

 

他にもしっかりJSのえみりちゃんの恋愛観のバクりかた。会社の後輩日菜子さんの脳内ツッコミ。

「胸を……いえおっぱいを借りるつもりで」

ほんと何言ってるのって思いましたよ(笑)途中までまともな後輩キャラだったのに徐々にぼろが出始める感じ。かなり笑わせてもらいました(笑)

 

 

 

と、ここまではギャグ作品かよと思うくらい笑える部分について語りましたが、もちろんJKとサラリーマンの温かい関係についても描かれていました。

 

乃愛は過去のトラブルから学校にいる同級生を「子供」扱いしまったくなれ合おうとしていませんでした。しかも親とも関係はあまりよくないようで、その寂しさを埋めるためにパパ活を行っていたよう。乃愛はパパ活の怖さはあまり理解しておらず、ただの暇潰し程度にしか思っていない。

そんな様子に手を差し伸べたのが梶野です。彼は大人の怖さを教えるために乃愛に対して脅迫じみたことを提案し二人の関係はスタートするわけです。

 

この出会いは乃愛にとっては非常に大きなもので、今まで自分らしく振舞うことができなかった彼女にとっていてもいい場所。今まで味わえなかった大切にされているという感じを味わうことができるなくてはならない場所になっていくわけです。

謹慎により梶野の大切さを感じ、同様に梶野も乃愛がいたことによりにぎわっていた空間に居心地のよさを覚え。二人ともが互いに大切に思う気持ちがいつしか出来上がっていた。

 

ここらへんはやっぱりありがちな展開になってはしまいますが、やっぱりいいものですよね。築いてきた関係の大切さに気付く場面は温かい。

 

そしてタイトルにもある「パパ活」が大きな問題になるのが最後。

パパ活のお得意さきであった吉永さんが乃愛のもとに押しかけてきます。

今までやさしさを見せていたのはやはり裏があり、乃愛が本当の意味で大人の怖さを知る場面。

 

やっぱり出てきました。胸糞展開。

問題JKにはつきものになる悪い大人の存在。

梶野が行った救出劇はスカッとする爽快感がありなかなか良かったです。

乃愛が事前に仕込んでいたとは言え「大切な人」といったのは良かった。

この二人の奇妙な関係に一つ定義がなされた瞬間。

乃愛にとっては梶野が初めて言葉にしてくれた自分に対する気持ち。

こういう作品は大人側がJKとの関係をどう定義するかに悩む展開が長く続くものが多いので割とスパッと決めてくれて主人公に好感が持てました。

 

 

 

1巻を読んだ感じでは全体的にコメディー要素が強く笑える作品という印象が強かったです。ただ一つ気になるのがこの先物語が続くとして「パパ活」とうい要素がもうなくなってしまうのではということ。今回パパ活については一区切りついてしまったので、そうなるとタイトルがお飾り感が出てしまうのではと若干気になりますね。

1巻では乃愛の家族まわりについてはあまり描かれていなかったので今後はそちらを扱っていくのかな。

何にせよ個人的にはこの作品すごい笑かせてもらってキャラクターたちも魅力的に感じたので続刊も追っていきたいと思います。

 

 

 

それでは今回はこの辺で。最後まで読んで下さった方ありがとうございました。