とうかのブログ

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探偵はもう、死んでいる。5巻 感想 ネタバレあり

少し遅くなりましたが、今回は5月25日にMF文庫から刊行された「探偵はもう、死んでいる。」通称たんもしの最新刊を読み終えたのでそちらの感想を書いていきます。

 

ネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。

 

 

 

探偵はもう、死んでいる。5 (著者:二語十 イラスト:うみぼうず)

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

 

 

シエスタを取り戻すためシードに挑んだ君塚達。それぞれが試練を乗り越え成長した状態でシードに挑んだ彼らだったが、待っていたのは残酷な結末。斎川をさらわれ、シャルは大けがを負い、そして夏凪は死んでしまった。

そんな再び相棒を失い絶望の淵に立たされた君塚のもとに届いたのは一通の手紙とそしてかつての相棒。

一度は死に別れた名探偵と再び仲間を取り戻すために立ち向かう。

過去と現在が絡み合ったSPES編の完結巻。

 

 

 

ということでたんもし5巻を読み終えたわけですが。。

 

まず表紙がかっこよすぎる!

読み始める前、このイラストが公開されたときから期待がすごかった。シエスタと君塚のたたずまいがかっこよすぎて。しかもしかも、なんでこの二人が銃を向けあってるのか。このイラストだけで発売前から興奮が止まらなかったわけですよ。

このイラストって読み終わると意味が分かってさらにエモさがますわけですがその辺は後でたくさん語らせてもらいますね。

 

 

 

読み終わった率直な感想を言えばめっちゃよかった!

SPES完結編ということでこの物語にどのような結末がもたらされるのか期待していたわけですが、バトル描写だけでなく、キャラクターの心情を大切に描いてくれていたのがすごくよかったです。

たんもしといえばシリアスな展開はもちろんなんですが、シリアスの中にも絶対に日常的な笑えるようなニヤニヤさせられるようなパートがあり、今回もそんなところもしっかりとこれまで以上に描かれていて大満足です。

 

またこれまでのストーリーを思い出させてくれるような描き方がされていて、4巻までのストーリーがあったからこそ感じられるストーリーの重みというかキャラたちの心情の重みというか。そんなキャラたちの心からの思いを感じられるからこそ、何度も心を動かされたし熱くさせられました。

 

 

 

ではここからは内容に触れながら書いていきますね。

 

 

なんといってもまずはVSシードの話から。

私的にはこの話をこの巻の最後まで引っ張ると思っていたので、かなり序盤から展開が動き出して驚きでした。えっ!こんな早くからシード出てくるの!?って感じ。

でもでも読み終わってみれば納得の展開。しかもシードが序盤に出てきたからといってその内容があっさりしていたわけでもないんですよね。

 

ご都合主義でもなんでもいい。ヘルとシエスタの共闘は良い!

かつてともに幼少期を過ごした夏凪とシエスタ。そして夏凪の第2の心臓の持ち主であるアリシア。口絵のイラストがやばい。ここにきてアリシアが関わってきたのがまず驚きでした。それこそたんもしでずっと言われていた<意志>を受けつぐということ。3人の出会いからはじまっていたこの壮大な戦いに、意志をつなぎ戦ってきた。そんな強い思いを感じられる場面ですごくよかった。

 

 

場面が変わってシードが終わってからのパート。この部分でかなりグッとくるものがあったんですよね。

その部分が君塚とシエスタの日常場面。2巻の過去エピで描かれていた出会いからそれまでの冒険譚を思い出させてくれるような、二人の何気ないやり取り。ピザの出前をとったり、二人で飛行機で飛び回ったり、ホテルに泊まったり。失ってしまった時間を取り戻すように、失ってから気づいたこのかけがえのない時間を大切にするかのような二人のやり取りはやっぱりグッとくる。2巻の最後でシエスタの思いに触れているからこそこのパートはほんとによかった。

 

そしてこの日常のなかに所々で挟まれていたシエスタの焦り。楽しいはずの時間なのにも関わらず、嫌な胸騒ぎがするこの感じ。これもやっぱりたんもしらしい。

しっかりと張られた伏線に毎度毎度驚かされますね。

 

またこのとき、今後につながる人物たちが登場してきましたね。調律者の面々の情報開示。そして君塚の特異点という体質。怪盗アルセーヌについて。今のところは大きな動きはないですが、今後6巻以降で重要な役割を果たす人物たちなのは間違いなし。

ここら辺は今後に期待です。

 

 

 

いろいろ書いてきましたが、なんといっても一番大事なのはもちろん最後のところ。

シエスタと君塚が戦う理由。これが表紙のあのイラストにつながっていたわけです。

ほんと辛い。

シエスタは自分の種がいずれ暴走することを分かったうえでシードと今まで戦ってきた。そして再び生き返った今、今度は君塚達の思いを理解したうえで、彼らを思い死を選ぼうとする。

シエスタの思い、そして君塚の思い。互いが互いを思うゆえに戦いは読んでて心が痛かった。どっちが正しいとかじゃないんですよね。お互いに相手をなによりも大切に思うからこその選択だからこそなのであって。

 

そしてこの戦いでいつも冷静なシエスタが熱くなるんですよね。自分の漏れ出る思いとそれでも冷静に物事に対処しようとする名探偵としての責務と。その葛藤が本当にうまく描かれていたと思います。

 

シエスタの差し出すてはいつも左手だった。そして君塚に向ける銃をもつ手もやっぱり左手で。改めて表紙みるとやばいよ……

 

 

 

夏凪とか斎川とかシャルについても書きたいことはあるんですが、シエスタと君塚の関係が良すぎたので今回はこの2人に絞って感想を書かさせてもらいました。かなり感情がごっちゃになり、文章にまとまりがなくなってしまいましたが、その点はほんとすみません。うまく言葉にできないところがたくさんあったので……

 

最後シエスタは永い眠りについたわけですが、それは決してバッドエンドによる眠りなわけではなく。今回の巻でよく目立った対比の表現。君塚が起こした行動により様々なことが変化したことが感じられてものすごくいいなと思いました。

 

SPES編に一区切りがついたわけですが、いまだ解決できていない問題はたくさんあり今後の展開に期待したいです。7月にはアニメもありますます盛り上がるだろうたんもしをこれからも応援していきます!