とうかのブログ

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青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない 感想 ネタバレあり

 どうも、とうかです。ブログを書くのが遅れてしまいましたが、12月10日電撃文庫から発売された青ブタの新刊が読み終わりましたので感想のほう書いていきます。

 

 今回もネタバレを含めて感想のほうを書いていきますので、まだ未読だよという方はご注意ください。

 

 

青春ブタ野郎ナイチンゲールの夢を見ない(著者:鴨志田一 イラスト:溝口ケージ

 

 

 

 今回の巻では表紙にもなっている赤城郁美がメインの話となっています。前回の巻から青ブタは大学生編に入り、今回のメインでもある赤城郁美や霧島透子など謎が多いキャラクターも登場し非常に面白くなってきています。

 青ブタの魅力はなんといっても、思春期症候群という学生ならではの悩みを中心として物語を進めていくところにあり、今回も本当に楽しませてもらいました。心なしか大学生編に入ってから思春期症候群のテイストが変わっているような気がしますが、咲太を中心としたキャラたちが奔走する姿はとても感銘を受けます。

 

 

 今回の話を一言で表せば過去の清算になるでしょうか。咲太が中学生の時に楓のいじめにより思春期症候群に巻き込まれる人生を送ってきたわけですが、今回はその裏で同時に起こっていた思春期症候群を信じなかった人の物語になるでしょうか。

 

 赤城郁美をはじめとした当時咲太と同じ中学生だった人たちは、咲太の言うことを信じず、変わったやつとレッテルをはり仲間外れにした。彼らにとって咲太の存在は中学3年生の思いでを台無しにした人物であり、そして赤城郁美にとって咲太はなんでもできると思っていた自分が救うことができなかった存在。

 

 咲太は高校に入り数々の出会いにより前に進むことができていましたが、赤城郁美は中学の時で時計の針が止まってしまっていました。そんな彼女は自分が無力だということを痛感し、そしてあの時のことを思い悩みついには思春期症候群を起こしてしまう。

 

 

 この巻で今まで謎に包まれていた赤城郁美という少女についてすべて明かされました。まさか咲太がいった別の世界線を行き来している人がもう一人いるとは思わなかったです。

 

 先ほども書いた通り彼女は正義感がつよい人であり、自分の身よりもほかの人を思える優しい人。そんな彼女の根底にあったのは中学のころに救えなかった一人の男の子であり、彼女の葛藤や悩みを考えると本当につらくなります。

 

 自分の無力さによりほかの世界線に逃げ出してしまった赤城郁美もそうですが、別の世界線からきた赤城郁美のほうの心情も丁寧に描かれていましたね。あちらの世界では咲太は自分自身で中学の時に問題を解決してしまい、その後藤沢に入学しても咲太が自分がやりたいことをすべて解決してしまう。正義感にあふれた彼女だからこそ、咲太への劣等感もあったのでしょうかね。そんな別の意味で無力さを感じた彼女がこちらの世界で行っていた夢見るによる人助け。誰も自分が自分でないと気付いてくれない切なさ。ほんとに赤城郁美は読んでいても危うさが伝わってきて。咲太ほんとによく頑張った。

 

 

 今回のメインにもなる同窓会では咲太以外から見た中学時代の話が語られました。彼らにとって咲太こそが加害者で自分たちは被害者である。一見最低に思えるこの主張ですが、いざ自分がその場所にいたらと考えるとなんだか胸がちくりとします。

 彼らを糾弾するために赤城がやりたかったこと。そしてそのあとの咲太の行動。

 大学生になりたびたび語られる「大人になる」ということを感じさせる場面だったように思います。あの場で起こったことは咲太を思う人にしかわからないものだったように感じます。

 

 

 また話は少しずれますが、赤城は咲太に恋をしていたようですね。咲太が麻衣さんを救うためにいったとき、ちょうど咲太に思いを伝えようとしていた場面でした。赤城にとって咲太は自分よりも強く、自分のやりたいことをやってしまうかなわない存在でありながら、同時に憧れで自分を救ってくれた人でもあったのかなと。今回久々に青ブタを読んでいて思ったのですが、やっぱり咲太かっこよすぎる。

 

 

 

 今回の巻でさらに謎が深まったのが霧島透子です。彼女は麻衣と同じく周囲からみえない存在で、なおかつ思春期症候群をばらまいている存在。そして最後には麻衣さんが危険と。大学生編で大きく場をかき乱す霧島透子の謎は次の巻で明かされるのでしょうか。

 また小学生麻衣さんについても今後描かれるの待ってます。たぶん霧島透子と関係あるような気がしますが、次の巻でぜひ触れてほしい。

 

 

 赤城郁美を中心とした物語でしたが、青ブタの世界観があふれた本当に面白い巻でした。最初の国見と双葉の三人が大学入っても仲良くやってるのが最高でした。

 次の巻も楽しみにしています!

 

 

 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。