義妹生活 感想 ネタバレあり
どうも、とうかです。本日二度目の投稿。
今回読んだのは1月25日にMF文庫から発売された義妹生活です。
こちらの作品はもともとYouTubeのほうで義妹生活というチャンネルで投稿されていた物語が小説版として登場したものでかなり話題になっていましたね。
細かい設定や内YouTubeとは異なっているようでした。細かい内容は感想のほうで紹介していきますね。
今回の感想もネタバレを含めて書いていくので、まだ未読という方はご注意ください。
義妹生活(著者:三河ごーすと イラスト:Hiten)
ではいきますね。
自分はこの義妹生活はYouTubeのほうでも見ていて書籍化が決まった時はすごい楽しみでどんな内容になるのかなと期待していたんですよ。YouTubeのような内容が紡がれた短編物のような形で発売されるのかなーなんて思ってたんですが、しっかりとした物語になっていてめちゃくちゃ引き込まれましたね。
YouTubeでは比較的コミカルなやり取りが行われていてそれが面白かったわけですが、今回の小説版では悠太と紗季の2人の心情がとても丁寧に描かれていてとても楽しめました。
元々この二人は再婚から義理の兄弟になるところから物語は始まるわけなんですが、この再婚により植え付けられた少なからずのトラウマが物語に深みを出していて、そこから生まれた二人の過度に期待しない態度やドライな考え方が心地よさを感じると同時に少し危うさを感じさせられたりと引き込まれる要素が多かったように感じています。
紗季は離婚した父親の影響で、ステレオタイプな見方をとにかく嫌い、無駄な時間を切り詰めてはやく自立をできるようにといろいろとやっているわけなんですが。
一人で学校でいる姿や周りとの関係を極力持たない姿勢、そして徹底的に自分に対しても厳しい性格が、高校生らしくなくかっこいいと思えると同時に、もう少しゆとりをもって人を頼ってもと思わされる場面も多くありました。
こういった紗季の危うさに、距離感に迷いながらも少しずつ踏み込む悠太の葛藤もよかったですね。異性というより兄として本気で心配し、だけども他人だから相手の領域にずかずかと足を踏み入れないようにと配慮をして。本当に気づかいができるいい男って感じでしたね。
トラックにひかれそうなとき、そして紗季が体を売ろうとして迫ってきたとき、悠太が紗季をしかっていたのもよかったですね。本気で相手を思っているからこそ、間違っていると思ったら一歩踏み込んで注意してあげられる。ナチュラルに優しさがあふれ出ていて紗季が気にかけるのもそりゃ納得。
そして悠太と言えば意外にバイト先の先輩である読売さんと仲良くしゃべってましたね(笑)自分で陰キャと自称しているからまるっきり対抗がないと思ってたからこそ驚きました。
特に悠太は読売さんの影響を結構受けてそうで、悠太の大人な思考も彼女と出会ったからこそという面もありそうですね。
そう考えると、今後紗季のライバルになる強敵の予感……(笑)
読売さんとの会話はユーモアに富んでいて読んでいて笑かされましたが、所々で核心ついた発言もありましたね。悠太に投げかけられた問に自分もところどころハッとさせられ考えさせられましたね。彼女もまた人生で多くの悩みを持つ人であり、いつか悠太に今回は明かさなかった悩みを相談することもあるのかも。
今後の展開に期待かな。
そしてそして。1番良かったのは最後。紗季の日記です。
基本的にこの物語、悠太の目線で描かれていて紗季がどのように感じているかはわかりづらいわけなんですよ。それが最後の日記を読んだら、少しずつ心の距離が縮まっているのが分かって。悠太を意識しっちゃてる紗季がめちゃくちゃに可愛かった。普段クールだからこそ、ああやって悩んでる姿が新鮮で。
紗季が抱える悩みは今回描かれたものだけではなくもっといろいろあると思います。彼女が元父親に向ける感情、彼女がまだ悠太に話せてはいない内容。これから悠太との距離が少しずつ近づいて、いつか悩みをすべて話せるようになったときは。
2人の関係が今後どのように変化していくのか楽しみです。
間違いなく推せる作品!続き待ってます。
では今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。