ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Each Stories 感想 ネタバレあり
どうも、とうかです。今回は1月にスニーカー文庫から発売されたひげひろの短編集の感想を書いていきたいと思います。
今回もネタバレありで書いていくので未読のかたはご注意ください。
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。Each Stories (著者:しめさば イラスト:ぶーた)
ではいきます。
今回は冒頭にも書いた通りひげを剃る。シリーズの短編集です。内容は今までの店舗特典としてついてきたショートストーリーと書下ろしエピソードを合わせたものです。
ひげひろは本編が少し重めな内容なので、今回みたいな何気ない日常の場面がより温かみを感じられるような気がします。物語が進んでいる裏でのヒロインたちの心情描写もあったり読んでいる人ならまず楽しめる内容だったと思います。
ではここからは個人的に好きだったエピソードの感想を書いていきますね。
まずは三島柚葉との休日が描かれた「デニムショートパンツ」
自分はもともと三島というキャラが好きだったからこのストーリーで描かれていた三島のアプローチがとてもよかったです。三島は吉田への明確な気持ちを表していて本編でも数多くのアプローチをしているわけですが。なにせ吉田が鈍感で……(笑)
今回のエピソードでも休日に映画へいくのに気合を入れてきた三島と、ただ出かけに行く程度にとらえた吉田の温度差があったりとなかなかうまくいかないわけですが。
その吉田らしさも含めてあきれながらも、好きという気持ちがあふれてる三島が可愛かったですね~。
特にジュースをわざわざ頼まずに吉田から分けてもらおうとしたり、自分のファッションをほめてほしくてわざとらしく足を組換えアピールしてみたりとほんとに恋する女の子感があふれていて読んでてほほえましかったです(笑)
最後に吉田に褒められて喜ぶ三島も最高です!
個人的に好きだったのが神田蒼との物語を描いた「青春」
高校時代に付き合っていたときに最後まで行けなかった遊園地デートに行く話だったんですが、蒼の気持ちを思うとほんとに切なくて。
吉田があまりにも自分を大切にしすぎるから怖くて別かれてしまった蒼。彼女は吉田の特別でありたかったからこそ、もう少し雑に扱われたかった。大人になっても忘れることもできなかった気持ちを終わらせるためのデートは遊園地という楽しい場所なのにどこかさみしさがずっと付きまとっていて。
最後のサンダルをごみ箱に捨てる場面は思わず涙がこぼれそうでした。
「あれは……吉田とのデートのために買ったものだから」
このセリフが高校時代の蒼の気持ち、そして今自分の初恋にけじめをつけようとしている蒼の気持ちを想像するとほんとにね……
今回の中で1番好きなエピソードだったかもしれないです。
ほかにもあさみのエピソードでは沙優を思う気持ちに心温かくなり、沙優と吉田の何気ない日常で繰り広げられるやり取りににやにやさせられたりと本当に面白かったです。
本編のほうは佳境に入っているので、どんな結末を迎えるのか次の巻の発売を楽しみに待っていたいと思います。
では今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。