弱キャラ友崎くん9巻 感想 ネタバレあり
お久しぶりです。とうかです。最近忙しくてなかなか感想あげられなかったのですが、落ち着いてきたのでこれからまたちょくちょくあげられるよう頑張ります。
では早速。今回読んだのは今月にガガガ文庫から刊行された「弱キャラ友崎くん」の9巻です。今期にアニメも放送されすごく盛り上がっていますが、やっと新刊が出ましたね!そんな待ちにまった友崎くんの感想のほうを書いていきます。
今回もネタバレがあるので、まだ未読の方はご注意ください。
弱キャラ友崎くんLv.9 (著者:屋久ユウキ イラスト:フライ)
今回の巻もほんとにおもしろかった!今まで描かれていなかった日南の話、そして友崎と菊池さんの恋愛の葛藤、そして友崎と日南の関係。ほんとに1巻によくまとめたというくらいにボリューミーな内容で読む手が止まりませんでした!
特に今回の巻は物語の最初とも大きく関連するところがあり、アニメを最近見たからこそ余計に鳥肌が立つところが多かったように思います。
9巻は菊池さんがレナちゃんからのラインを見て図書室を駆け出したところの続きからはじまりました。今回のメインは友崎と菊池さんの恋愛で、そこから友崎文也の人生観のようなもの、日南葵の弱さというものが丁寧に描かれていた印象を受けました。
ほんとにこの作品は人生というものの生き方について考えさせられるなと。どのキャラクターにも共感できるし、だからこそのもどかしさのようなものも感じられて。作品のキャラたちとともに過ごしていると錯覚するくらい悩みがリアルなんですよね。感情をここまで表現できるなんてほんとに先生はすごい。
ここからは語りたいことが多いのでいくつかテーマにわけて感想を書いていきますね。
まずは菊池さんと友崎の恋愛について。
今回は二人の恋愛観のズレが大きな問題になって今したね。友崎のゲーマーの業ともいえる個人主義ゆえの菊池さんとのアンバランスさ。一人で世界を広げられる友崎を好きになりながらも、置いていかれる寂しさを感じてしまう菊池さん。お互いのことを思っているけど、根本的な部分がずれてしまっている苦悩。なんか読んでてめちゃくちゃつらかった。特に菊池さんが語った日南との関係こそが理想であること。自分の入る余地なんてなかったと感情を吐露する場面はすごいグッときました。
それと同時に、菊池さんは今まである意味一番か弱い少女のように思っていたけど、創作物を最優先にしてしまう様はすごい鳥肌というかぞっとするような寒気を感じましね。クリエイターとして最善を願ってしまうからこそ、だれもが踏み込みにくいところに踏み込んでいけてしまう。たとえ自分が傷つくとしても。
だからこそ、最後に菊池さん自ら友崎を選んだのは大きな決断であったと同時に友崎への思いの強さの表れだったのかなと。
そういったつらい描写も多かったわけですが、9巻ではとにかく菊池さんが可愛かった!菊池さんってもう少し主張が少ない印象だったからこそ友崎に好きとかかわいいとか言わせてるのがたまらない。意外と積極的だし何より嫉妬しちゃう菊池さんがほんとに……最高です。。
続いて日南と友崎についてですね。
この二人の関係性についてついに深く掘り下げられました。日南が友崎を気にかける理由。個人的には友崎に対して何らかの期待か何かがあったと思っていたけど、まさかの自分の説を立証するために利用をしていただけとは……日南葵という女の子の強さなのか弱さの証明なのか。とにかくそれはまさしく狂気の沙汰ですよね。友崎に見せる顔がどうか本物であってほしいなと思います。
理由がなければ動くことができず、世間の評価でしか自分に自信を持つことができない。ある意味では日南は人生においての弱キャラだったのかもしれないのかもですね。
対して友崎にとって日南は、アタファミと同等に自分が最も優先させたい特別なことであると述べています。それは恋愛よりもウェイトが大きく、日南との関係をやめることだけはできなかった。自分の世界を変えてくれた尊敬できる日南だからこそ、最も人生を楽しんでほしい。友崎の日南に寄せる思いは恋愛心を超えた何かなんでしょうか。どうか友崎には日南に人生を楽しむことを教えてあげて救ってほしい。
次は水沢とみみみについて。9巻では泉や中村をはじめ今までのキャラたちが友崎と菊池さんの関係に助言をくれていましたが、なかでも水沢とみみみは大事な役割を果たしてくれたなと感じましたね。
水沢はほんとによく回りが見えていて大事な時に友崎に考えるきっかけをくれていました。ほんとにできる男過ぎない?(笑)答えを言うのではなく、ヒントだけをくれるのがイケメンすぎて。
本当の意味で一番話せる男友達同士みたいで友崎と水沢の関係はめちゃくちゃ好きです。
そしてみみみ。今回も泣かされました……みみみいい子過ぎてほんとに報われてほしいのに……
菊池さんが嫉妬をしてると聞いて、みみみのほうから友崎に一緒に帰るのをやめようと提案したときに無理にでも笑ってるのがつらかったです。友崎に呼びかけられてビクッと肩を震わせたりとほんとに心が痛い。
友崎がいろいろと手放してモノクロの世界に戻っていくときにも声をかけたのはみみみで。好きだからこそ友崎の行動を見ていて。好きだからこそ友崎が道を誤りそうなときに連れ戻してくれて。
”戦友”として自分の時と同じように友崎の話を聞いてあげる場面はほんとに涙が溢れました。みみみ最高すぎる。
そして最後に足軽さんとレナちゃんについて少しだけ。
この二人9巻でめちゃくちゃ重要な立ち回りしてましたね。弱キャラ友崎君にはほぼいない年上のキャラということで今までにない視点から物事をみるきっかけをくれました。特に印象的なのは完璧ヒロインの日南があそこまで内面を言い当てられたことですね。正直日南はどこに行っても最強だと思っていたので、日南の弱さを指摘するのがこの二人なのはかなり意外でした。
あとは足軽さんが指摘した友崎の強さですかね。友崎文也は人生においては弱キャラなんかではなく最も強いキャラであること。自分の感情で動ける個人主義者の友崎と、理由がなければ動けない個人主義者の日南。どちらも同じなんだけれど正反対な生き方。
本当の強キャラであることを自覚し今後友崎が活躍することに期待してます。
9巻は本当に情報量が多かったしその分めちゃくちゃ面白かったです。今回は書ききれなかったけど、日南の親子も登場してそこにはやっぱり妹は一人しかいなくて。
日南はまだまだなにかありそうな感じですので今後どうなっていくのか楽しみですね。
また友崎の恋愛も今後どう動くのか。このまま菊池さんと行くような気がしますが、そうなると友崎と日南の関係はどうなるのか。もしもがあれば涙することは間違いなしの予感。
フライ先生のイラストはやっぱり今回も神でした。
続きの巻も楽しみに待っています!はやく読みたい~!