声優ラジオのウラオモテ4 感想 ネタバレあり
どうも、久しぶりです。今回はなかなか読めていなかった声優ラジオのウラオモテの第4巻に手をつけることができたのでそちらの感想を書いていきたいと思います。
ネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。
声優ラジオのウラオモテ♯04夕陽とやすみは力になりたい?(著者:二月公 イラスト:さばみぞれ)
・あらすじ
幻影機兵ファントムの収録を終え声優として大きく成長したやすみと夕陽。
そんな二人のもとに訪れたのはラジオ存続の危機。ラジオでのやり取りを本気のように思うファンが心配を寄せるようになってしまい.......
それと時を同じくして二人になじみ深い先輩声優の桜並木乙女に異変が。
若き声優二人が声優界で悩みもがき挑んでいく。
はい。今回は乙女回になりましたね。
今まで頼りになる先輩としてあり続けた乙女が見せる弱さ。業界の中でも人気を誇る彼女が何に悩みどんな思いで声優として走り続けていたのか。そんな声優界の輝かしい部分だけではない苦労や挫折。そして厳しさを描いてくれていた巻になっていました。
またシリアスパート以外でも面白いところ、甘々な展開がいくつかあったのでそちらについても順を追って書いていきますね。
最初に訪れたのはラジオ存続の危機。
二人が収録で言い合いをしすぎるあまりファンから心配の声が寄せられるようになったとのこと。今のままではこのラジオは終わってしまう可能性が高い。そんな状況を打開するために行われたのがロケ番組。
読者からすると何をいまさらというような展開(笑)
二人が互いに向ける感情が並々ならぬものなのはみんな分かっていて、それでもうまく言葉にできず意地を張ってしまい、二人でもじもじしてしまう。ほんとにほほえましい(笑)夕陽が隠し撮りで語ったやすみへの思い、そしてそれへのアンサーとして書かれたやすみの手紙。わかってはいたけどああやって文字で読むとやっぱりグッとくる。めっちゃ青春って感じでたまらないですね。
またロケ番組で一緒になっためくると花火。めくるはいつもながらにツンとしてはいるけど本当に心配してくれている優しい先輩であり、同時にファンの一人でもあり。そして今回初登場になるのかな?花火もすごい優しい人で好きになりました。
めくるが唯一心を許している相手で二人の距離感が尊い。完成されたコンビ感がすごくよかったですね。
今後もどんどん出番が増えることを期待したい。
続いて乙女についても書いていきますね。
前々から危うさを感じる彼女でしたが、ついに今まで保っていた糸が切れてしまいましたね。人気声優として様々な仕事をこなし最前線で戦ってきた彼女が抱えていた恐怖。かつてライバルとして一緒に切磋琢磨していた相手が一度の休養により業界から姿を消してしまっていたことが関係していました。
生放送で倒れてしまってからの乙女の狼狽っぷりは心苦しくなりましたね.......
いつもは余裕そうな人の動揺は見てるこちら側もハラハラしてしまいますよね。
そんな彼女のために力を貸すべく、今回もやすみと夕陽が奔走しかつて声優として名を馳せていた秋空にあい、乙女を助けてあげるように話にいくわけですが。
正直高校生の若さゆえのまっすぐな行動は危なっかしすぎてみてられない(汗)やすみのまっすぐな気持ちはほんとに眩しすぎて。自分も年をとったかな(笑)
秋空がやすみに問いかけた質問も残酷ですよね。
追いかける側の人間が追いつかないところで挫折をしたときに声をかけることができるのか。一度は逃げ出した自分が頑張ってきた人にかけることって相当難しいですよね。まず間違いなく目をそらしてしまう。
そんな状況でもやすみは、それでも忘れたくない。見ないふりはできないと自分なりに答えを見つけていました。この子ほんとに強い。そしてそれだけ夕陽の存在の大きさを感じることもできてますます二人の関係が気高く美しいと思うようになりました。
紆余曲折を経てやすみと夕陽は秋空を乙女に引き合わせることができました。
彼女たちが何を語ったかは描かれませんでしたが、それでも二人だけの思いがありそれをぶつけ合えたからこその乙女の笑顔でのライブだったんでしょうね。
あの場面の挿絵の迫力がほんとにすごかった。絵が目に飛び込んできた瞬間にライブの会場にいるかのような錯覚をするほど鳥肌が立ちました。ほんとに神なイラストですよ。
今回は前半の2人のあまあまな展開から乙女のシリアスなパートと緩急があり面白かったと思います。
自分が楽しんでいるコンテンツを作るクリエイターたちの世界で眩しいだけの光ではなく、それまでの苦悩や葛藤、そして挫折などがあると思うと感慨深いです。またそういう風に思わせてくれるこの作品もやっぱりすごいなと。
この先声優ラジオはどのような展開で進んでいくのか気になります。最終目標として描かれるのはどのようなストーリーなのか。引き続きこの作品を楽しみ、応援していきたいと思います。
それでは今回はこの辺で。最後まで読んで下さったかたありがとうございました。