とうかのブログ

気ままにラノベ、アニメ、漫画等の紹介、感想などを書いていきます

義妹生活2 感想 ネタバレあり

今回は今月25日にMF文庫から刊行された義妹生活の2巻を読み終えたのでそちらの感想を書いていきます。

 

感想のほうはネタバレありで書いていくのでまだ未読という方はご注意ください。

 

 

義妹生活2(著者:三河ごーすと イラスト:Hiten)

 

 

義妹生活2【電子特典付き】 (MF文庫J)
 

 

 

今回の巻でも1巻のときと同様に沙希と悠太の何気ない日常を一日ごとに丁寧に描き物語を紡いでいます。

ラノベでよくある義兄妹の恋愛ものとは違い二人の距離感はあくまでクラスメイトとほぼ変わらない状態からはじまりそこから少しずつ互いを知ることにより意識していくようになっていきます。

 

沙希と悠太のお互いに干渉しすぎないけれどもお互いのことを大切にしているなんとも言えない距離感が個人的にはたまらないです。二人の”すり合わせ”により生まれる独特の空気感が緩やかに流れていて作品全体を通して心地よい雰囲気の作品なのかなと思います。

 

 

今回は前回よりも沙希の気持ちが現れた話だったように思います。

1巻の最後では悠太を少し意識する沙希が描かれ終わったわけですが、今回の沙希は読売さんを意識したり自分が知らない悠太を誰かが知っていることにもやもやしたりと完全に恋する乙女のような感じでした。まあ沙希自身はあまり自覚はしていないようですがここから先の展開はやっぱり恋愛方面に進んでいくんですかね。

個人的には沙希がめちゃくちゃ可愛いのでどんどん悠太のことを意識していく展開を望んでいます(笑)

最後の日記は毎回毎回可愛すぎないですかね??自分が理解できないと言っていた小説の登場人物みたいに回りくどいやり方をして悩む沙希がほんとに可愛い!

 

そして紗季に悠太を意識するきっかけを作ったのが読売先輩。

年上だけど茶目っ気があるバイト先の先輩で悠太が心を許している数少ない相手。この人もすっごい可愛い。常におどけて本音を隠している節があるので、悠太に対して夜の公園で言おうとした言葉が気になりますね~。

1巻でも少し悩みを抱えた様子が描かれていたのでそっち方面の話も深堀されること期待しています。

 

また沙希が悠太とお読売先輩のバイト先に面接を受けに来たことにより、悠太を意識する女性二人が働くなかなか修羅場なバイト先になりそう。

個人的には悠太がいないときに、沙希と読売先輩が悠太に対する思いを話し合う展開が来たら最高かなと思います。

 

 

私自身、何気ない日常のなかで徐々に惹かれていく様子を描いた恋愛ものはかなりタイプなので義妹生活にはこれからも期待したいと思います。

3巻刊行は7月ということでなかなか早い刊行ペースなのも嬉しいですよね。

続きも楽しみにしたいと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で。最後まで読んで下さったかたありがとうございます。

ライアー・ライアー7巻 感想 ネタバレあり

今回は今月25日にMF文庫から発売されたライアー・ライアーの7巻の感想を書いていきたいと思います。

 

感想はネタバレありで書いていくのでまだ未読という方はご注意ください。

 

 

 

ライアー・ライアー7 嘘つき転校生は偽りの正義に逆襲します。(著者:久追遥希 イラスト:konomi(きのこのみ))

 

 

 

 

 

 

「篠原緋呂斗は不正をしている。」

ヘキサグラムによりかけられた疑いにより苦戦を強いられることになった緋呂斗だったが4回戦では逆転劇を繰り広げついにSFIAの最終決戦へと駒を進める。

最終決戦は脱出ゲームを模した決闘。ヘキサグラムを筆頭とした各高校の有力者たちによる頭脳戦バトルここに開幕。

 

 

 

まずは率直な感想。やっぱり期待を裏切らない面白さ!

夏の一大イベントの最終決戦ということでそれぞれの生徒が一筋縄でいかない人物ばかり。それぞれの生徒たちが自分の利益にあうように作戦を巡らせ戦う様子は頭脳戦ならではの面白さがありました。そして今回の決闘内容が脱出ゲームだったこともあり読み手も一緒に決闘に取り組めるような感覚がありそこも今回良かったポイントです。

ゲーム設定が細かくされていたため理解するのに少し時間はかかりましたがその分ルールの穴をついた逆転劇はワクワクさせられました。

 

 

ではここからは細かく語っていきます。

 

今回はかなりの有力者が集まりましたが、最終的な構図は緋呂斗率いるメンバーVSヘキサグラムという戦いになりました。序盤にそれぞれでバチバチと火花をちらしていたからこそ最後の共闘は盛り上がりますね。

 

まずは霧谷との戦い。ここでは阿久津を含めた三人の決闘ではありましたがついに霧谷との戦いが実現されました。色付き星を2つ所有する彼との戦いはどのようなものになるかと思っていましたが今回はメインバトルとしては描かれずあくまで前哨戦として描かれていました。それでも緋呂斗と霧谷の頭の回転は間違いなくトップのもので、ルールの穴をついた二人の戦略は見ものでした。今回は霧谷の負けということで決着はつきましたが、まだまだ底が見えない実力がありそうで今後に期待したいですね。

 

 

そしてメインで描かれたヘキサグラムとの戦い。

前回の巻に引き続きとにかく戦い方は外道そのもの。ルール違反を犯さない代わりにとにかく人が嫌がることを平気でする完全なるヒールっぷり。正義を掲げるヘキサグラムのメンバーは阿久津以外はなかなかのクズの集まりで少し笑えましたね。

だからこそ最後の倍返しは爽快感が半端ない。4巻に引き続き共通の敵に対してそれぞれのメンバーが手を組み戦いました。やっぱり共闘って熱いですよね。それまで敵として戦っていた面々が仲間になった瞬間にとてつもなく頼りになる存在になる。こういう展開は王道だけど好きなんですよね~。

 

今回の戦いで見事ヘキサグラムとの戦いは無事終了しましたが、最後に大きな疑問を残すことになりましたね。阿久津雅はヘキサグラムのメンバーではない。

今まで佐伯をしたい佐伯のために行動していた彼女がいったい何を考えなんのために動いていたのか。彼女は赤星のアビリティを虚偽であると篠原に鎌をかけていたわですが、最後の展開を見ると本当に知っていた可能性も無くわないのでは?と思わされます。明らかに佐伯より実力があるだけに彼女が再び表舞台に現れた時の戦いには期待できそう。

 

 

また今回登場した不破姉妹の発言により彼らと霧谷はアルビオンという組織として動いているということが明らかになりました。アルビオンはかつて倒した倉橋が関わっている組織でもあり、彼らがなぜ緋呂斗を追い詰めようとするのか。どんな理由であれ間違いなく今後の展開に大きくかかわってくる組織なので楽しみですね。

 

 

戦いとは別になりますがヒロインズは相変わらず可愛かったですね。

まずは前回とは打って変わって完全に篠原の忠犬になった水上摩理。すみれが語ったように心からの善人で嫌な部分が一つもない。それでいて篠原にちょくちょくデれるからほんとにね。

そして個人的に好きな皆実。彼女は基本的に適当にしていますが、たまに緋呂斗を気にかけているのがたまらない。特にチームを引き抜かれたときの発言は可愛かった。ギャップがあるキャラはやっぱりいいですね~

彩園寺は言わずもがな。巻を増すことにツンよりデレが多くなっていてほんと見ていて飽きない。

 

 

夏の一大イベントを終えてひと段落ついたわけですが、次に待っているのは修学旅行。学園島ではもちろん決闘が関わってくるわけですが参加するのは2年生のみ。なんとなくわすれていたけど緋呂斗今まで先輩たちと一緒に戦っていたんですね(笑)一緒に挑めるのが白雪しかいないというなかなかのピンチにどのように立ち向かうのか。

そして最後に登場した更紗本人。いよいよ彼女が登場しました。ライアー・ライアーにおいてかなりキーになる人物が動き出しそうなので次の巻が待ちきれないですね。

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んで下さったかたありがとうございます。

豚のレバーは加熱しろ3巻 感想 ネタバレあり

どうも、今回も豚のレバーは加熱しろの感想を書いていきたいと思います。

 

感想はネタバレありで書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。

 

 

 

豚のレバーは加熱しろ(3回目) (著者:逆井卓馬 イラスト:遠坂あさぎ)

 

 

豚のレバーは加熱しろ(3回目) (電撃文庫)
 

 

 

 

それではいきますね。

 

 

まずはあらすじから。

 

ジェスと豚は闇躍の術師に対抗するため解放軍と王朝の協力を取り付けることに奔走する。そんななか二つの組織を仲介するキーにもなる人物に思い当たり。

闇躍の術師、解放軍、王朝、それぞれの思いが交錯したバトルが開幕。

 

 

はい、ということで。まず率直な感想から。

ほんとによかった!

物語を膨らませるシナリオ、そして伏線の数々、そしてそんな物語を支える完璧なイラスト。読んでて本当に引き込まれました。

なかには吐き気がするような胸糞悪い過去があきらかになり、イェスマの受けてきた扱いの過酷さを改めて感じさせられるような真実を突きつけられ読んでるこちら側の精神もゴリゴリに削られたわけですが、そういったところも含めこの作品の魅力。ただすべてが上手くいくわけではない展開がよりこの物語を面白くしているように思います。

 

 

それでは内容にもふれながら語っていきますね。

 

まずはホーティスについて。

今までノットの愛犬として登場していたロッシが実は.......前回明らかになった衝撃の事実は物語の冒頭で早々に明かされました。ホーティスもなかなかの変態ぶり。いきなり全裸で登場し、正体がばれた後もジェスをなめまわし。この段階では底が見えないただの変態としか思ってなくて何度も笑わされましたね。(まさかこれもすべてはジェスのための行動だったとは思ってませんでした.......)

しかし後半に入るとその印象は一変し、最巧の魔術師の名に恥じない活躍。闇躍の術師との戦いで見せた実力はほんんとにかっこよかった。またセレスの呪いの肩代わりのところとかも鳥肌でしたね。今までふざけた男を演じていたからこそギャップにやられました。

 

そして最後の戦いで見せたホーティスの行動。そして明らかになるホーティスの過去と思い。

ホーティスが王朝を飛び出した理由は修道院の過去が原因としか語られていなかったけどここにつながっているとは。ほんとうならホーティスは自分の娘や妻を死に追いやったマーキスをノット以上に恨んでいてもおかしくないわけですよね。それでもホーティスはイェスマが解放される未来を選び、そして何より自分の兄を信じた。

娘を心から愛したノットを手助けてここまで来た彼の勇士。本当に感動しました。

 

 

また今回はセレスも大きく行動した回でもありました。

今までセレスはノットを陰から見守るだけに徹していましたが、今回呪いを受けたノットを自分を身代わりに助けました。

あのシーンのイラストがきれいすぎて。ノットに口づけをし呪いを代わりにうけ、そして穏やかな表情でノットに微笑むセレス。健気な思いに思わす涙。ほんっとに良い。

 

 

あとはやっぱり最後の戦いについて。

 

なんていうか誰一人として恨めない戦いだったと個人的に思います。マーキスは確かに心無い行動で他者を威圧し、しかも修道院の一件を起こした張本人。それに対してノットたちが恨みを募らせるのも納得。その一方でサノンが言ったようにノットたちが行動を起こさなければマーキスも武力で制圧しようとはしなかったわけで。

 

逆にノットたちの攻撃からはじまりサノンの裏切りまで。これも軽率で今回の場面では間違っていたと客観的には思えるけど感情のことを考慮すると仕方なくって。

解放軍のメンバーはこれまでイェスマを殺されたことに対する憎しみのみで戦ってきたメンバー。そんな彼らの前にその根源がいたら確かにそうなる。サノンはあくまでもメステリアの平和よりも解放軍の勝利を手助けする存在で裏切りに至ったんですかね。にしてもセレスにあの行動をとらせるサノンの作戦には驚きました。勝利のためには何でも手段をとる一種の冷酷さが見られたような気がして背筋が凍りましたね。

 

シュラヴィスやホーティスは王朝の誤りを認めそれを償うためにメステリアの平和を心から願っているようでした。そう考えるとこの戦いで本当の平和を追い求められていた人たちは王朝陣営のほうだったのかもしれませんね。

 

 

ホーティスの死により解放軍と王朝のいさかいは緩和されたようですが、そうなってくるといよいよ豚さんの役目の終わりが近づいてきているということでもあり。

今までを通して豚さんはジェスを遠ざけようとする行動が目立っていました。豚さんの気持ちを考えるとつらいですよね。ジェスの思いに応えることができるならどれだけいいか。それでもジェスの安全、そして幸せを願ってしまう。なんとも言えないじれったさ。

ホーティスの隠し子がジェスであると知ってしまったいま、さらに豚さんはジェスを遠ざけることを願ってしまうんでしょうね。

最後にはホーティスの妻が自殺をした泉から豚さんも飛び降りようとするところで今回の巻は終わります。毎回毎回引きがうますぎる。

 

 

3巻は感動が多い話だった印象。豚レバの魅力の1つは伏線がしっかり張られていて1巻から常にヒントがあるとこにあると思います。何気なく読み飛ばしていた内容が改めて読んでみると全く違う意味に聞こえてくる。本文に登場したそのままを引用してくれているからこそその驚きも大きいと思います。

ますます面白くなってきた豚レバ。一通り事件は解決したのでこの先どのように進んでいくのか、はたまた終わりが近いのか。どっちにしても続きを待っていきたいと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で。最後まで読んで下さった方ありがとうございます。

 

 

 

豚のレバーは加熱しろ2巻 感想 ネタバレあり

どうも。今回も前回に引き続き豚レバを読んだのでそちらの感想を書いていきたいと思います。

 

ネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。

 

 

豚のレバーは加熱しろ(2回目) (著者:逆井卓馬 イラスト:遠坂あさぎ)

 

 

豚のレバーは加熱しろ(2回目) (電撃文庫)
 

 

それではいきます。

 

 

まずはあらすじから。

 

ジェスとともに王都へたどり着くことができた豚は、この世界の歪なあり方に疑問を持ちながらもジェスのことを思いジェスを王都に残し日本に帰ってくる。

メステリアを忘れることのできなかった豚は、自分以外にもメステリアへ転生したことがある人達と協力し再び異世界に転生することを決意する。

かつてとは違いいくつかの勢力の戦いにより混沌を極めたメステリアを救うため豚たちの戦いが再び始まる。

 

 

今回も前回同様すごく面白かったと思います。新しく仲間に加わったサノスとともに前半はいちゃらぶ展開を満喫しつつも後半ではそれを忘れさせるほどの怒涛の展開。笑いとシリアスの緩急があってとてもひきつけられる内容になっていたと思います。

 

 

1巻では王都の人たちはイェスマを容認する制度を作った一言でいえば悪い人たちでした。しかしながら今回の巻では豚が王都側につくことによりそちらの人たちの考えについてもいろいろと明かされていきましたね。

 

ジェスが王都に残されたときはどんな扱いを受けるのか心配だったけれど王都の人たちは基本的にはほんとうに親切にジェスに接していた様子。記憶を封じていたのにもちゃんとした理由があり1巻とは王都に対する印象がガラッと変わることとなりました。

シュラヴィスやイーヴィスも根はすごく優しい人で二人がジェスのことを心から大事に思ってくれていたのが良かった.......

 

彼らの行ったイェスマの扱いは間違ったものだったとは思うけれど、それと同時に彼らも世界のことを思ってのことだということが分かってよかった。

こういった最初は悪だと思っていた側についても丁寧に描いてくれてそこにしっかりとした事情を描いてくれる作品はいろいろと考えさせられるものがあっていいなと。

 

 

また今回から出てきたサノス。彼は前回の転生でも大きく活躍したことがわかるような周りからの信頼度でしたね。主人公とは違いノットやセレスと過ごした時間も長く彼には彼の思いが強くあるように感じました。それにしても30歳のおじさんのセクハラ行動はちょっと引きましたが(笑)

 

 

今作のメインヒロインジェスと遭遇したのは中盤から。

そもそもジェスはイーヴィスの意向により記憶を封じられていたので豚とは初対面という設定で出会うことになります。

豚とジェスの再開はほんとに切ないものがありました。ジェスは記憶を失っても相変わらずのやさしさで豚に接していて尊さがすごい。

 

ジェスが豚にのり涙を流すシーンは感動しました。彼女がどのような思いで豚と一緒にいたか。記憶をなくしてもなお豚と一緒にいた日々を大切に思っていることが感じられてグッときましたね。

またジェスの日記もやばかった。豚との思いでを何気ない毎日のなかでふと思い涙するジェス。ほんとに切ない.......

 

 

豚さんのほうの気持ちもかなりつらいですよね。ジェスとは初対面のようにふるまわなくてはいけなくて。そしてなによりジェスのことを思うからこそ自分以外の人と幸せになってほしいと思ってしまう。最初はジェスを置いて帰った罪悪感からジェスと距離を置こうとしているのかと思いじれったく思いましたが、豚さんの覚悟を知っていくうちにどんどん切なくなっていきました。

ジェスの記憶を消すことを提案されたときに豚さんが記憶を消すことを選んだとことかほんとにね.......

 

 

また今回の巻では新たな敵も登場、そして王朝側のマーキスの不審な動き、さらにはノットの愛犬ロッシの正体など物語の重要な部分でも動きがありました。

まさかロッシの正体がホーティスだとは。1巻から明らかにおかしいとは思っていましたがここにつながっているとは思いもよらなかったです。完璧な伏線回収に鳥肌。

 

 

色々と展開が動きここからさらに面白くなっていきそな予感。

一緒に転生したもう一人についても次の巻で触れられるのかも。

とにかく引き続き豚レバ読んでいきたいと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んで下さったかた、ありがとうございました。

豚のレバーは加熱しろ1巻 感想 ネタバレあり

どうも、今回は第26回電撃小説大賞で金賞を受賞した作品「豚のレバーは加熱しろ」の第一巻を読み終えたのでそちらの感想を書いていきたいと思います。

 

今回もネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読の方はご注意ください。

 

 

 

豚のレバーは加熱しろ(著者:逆井卓馬 イラスト:遠坂あさぎ)

 

 

豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)

豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)

 

 

それではかいていきます。

 

まずはあらすじから

 

理系大学生の主人公はある日、ブタのレバーを生で食べたことで意識を失い気が付くとなぜか豚に転生してしまっていた。豚は心が読むことができる種族<イェスマ>の少女ジェスに助けられ、元の姿に戻る手がかりを探るため王都を目指す旅に出る。しかしこの世界で過ごすうちに<イェスマ>という種族の秘密がわかっていき.......

 

 

 

この作品は金賞受賞作品であること、そしてなによりインパクトのあるタイトルにひかれて購入した作品でかなり期待していたのですが予想以上に面白かったと思います。

作品のタイトルと表紙からは想像できない、かなり残酷な世界観も引き込まれるポイントになったのかなと思います。

 

 

豚とジェスの出会いはほのぼのとしたもので物語の序盤はここからスローライフが始まるかのような雰囲気でした。しかし物語が進むとジェスの扱いに違和感が出始めていき。<イェスマ>という種族がこの世界において受ける不遇な扱いが明らかになっていきます。

純真無垢でやさしさの塊であるジェスが受ける扱いは、この世界の歪さが感じられ終始なんとも言えない気持ち悪さがありました。ノットの経験した過去もとても悲惨なもので読んでてかなりつらい。

けれどそんな過酷な世界に対して立ち向かうのは一匹の豚で、特別な力はもたないけれど頭脳を使いジェスを助けるために奮闘する様子は読みごたえがあってよかったです。

 

 

また<イェスマ>の正体についても一巻で明らかになりました。何となくそんな気はしていたけど実際に魔法使いだと言われるとやはりこの世界の歪さに疑問を感じずにはいられなかったですね。王族の人たちは決して悪い人ではないのかもしれません。争わないための合理的手段を取っているともいえます。

優しい人が不遇な扱いを受ける世界。あとがきにもあったように優しい人に寄り添うことは誰にでもできるかもしれない。そんなことを伝えてくれる残酷だけど優しい物語だったのかなと思います。

 

 

豚が人間の世界に帰ることを選びここからどう物語を展開していくのかと思っていましたが、まさかの一回現実に戻ってからの再びの異世界へという展開。

しかも今回は仲間を連れてということでこれからの展開に期待できそう。

そしてノットがなんかすごいことに(笑)それにしても彼も生き延びていてよかった。

 

そんなこんなで続きも気になるところで終わった今作。引き続き読み進めていきたいと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3巻 感想 ネタバレあり

今回も引き続き「おさいも」の感想を書いていきます。

 

ネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読という方はご注意ください。

 

 

 

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3 3年分の「ありがとう」だよ、先輩(著者:涼暮皐 イラスト:あやみ)

 

 

 

 

 

 

それではいきますね。

 

 

伊織が認識できないかつての友達の名前と露天商の少女の名前は生原小識と同性同名。伊織に正体がばれた小識は今まで隠してきた事実について伊織に説明する。

「自分は偽物である」

彼女の口から語られるかつての関係。眠り続ける小識を救うために伊織は小識とともに夢の世界へ。

 

 

 

あらすじはこんな感じです。

今回の巻はこれまでの伏線がいくつか回収された巻であり、伊織が忘れていた記憶についても触れられる重要なストーリーになっていました。

今までの二巻がハッピーエンドで終わっていたわけですが、決して誰もが笑える幸せな結末ではありませんでしたね.......何となく予想できていただけに後半はずっとつらかった。

 

 

 

まずは生原小識について。

これまでに登場していた小識は、星の涙によって作り出された本物の小識の一部の人格。伊織の隣に自分がいることを許すことができなかった小識の人格でした。

もともと小識は伊織たちと同じ小学校にいた一人。引っ込み思案だった彼女にとっては伊織はたった一人の友達であり、唯一信頼できる相手。彼女は伊織が星の涙をつかったことによりいじめの対象として代わりになってしまった人物でもあります。星の涙を使ったのはそんな過去が原因でした。

 

正直、本物の小識の過去にはつらく共感できるところもありましたが、眠ったあとに生み出された小識のほうにすごく感動しました。

彼女は伊織の隣に自分が立つことを許せなかった。だからこそ伊織の隣に立っていられるようにかつて言われた強くそしてクールな性格を演じ伊織をサポートしてきていました。もうそれだけで泣けますよね。いつか消えると分かっていても伊織の隣にいることで感じる幸せは大きくなっていき。そして伊織にとっても大きな存在になってしまって。自分が存在することが伊織を傷つけてしまうという彼女の悩みが本当に伊織に対する強い思いを感じて。

小識が伊織に思いをぶつけるシーンは涙がこぼれました。あの展開はほんとにずるい.......泣かないわけない。

 

 

 

また今回は舞台が小識の夢のなかで、現実ではあり得ることはない出来事が起きました。

それが流希との出会いと陽星との出会い。伊織にとってどれだけ幸せで同時に残酷な時間だったか。伊織が一番取り戻したいものがそこにはあり、けれどもそれは受け入れてはいけないものでもあり。かつての2人と伊織が過ごした時間が想像できて、だからこそ今の伊織を見ると読み手としてもつらく感じました。

 

 

 

そして今回は小識の出来事以外でも、最後に衝撃の事実が明らかになりました。

陽星は自ら星の涙を使用した。

前回の感想で伊織は星の涙に感情を奪われたのではなく自分から感情を抑えていると書いていましたがしっかり間違っていました(笑)

今までも伊織に感情の熱がともったときに急激にその温度が冷えていくという描写がありたしかに星の涙の影響といわれるとすごい納得。

 

しかしこうなってくると更なる疑問がたくさん出てきます。

まず陽星が星の涙を使ったという前提で話を整理していきますね。

こうなると陽星が得たものは偽りの関係によりいじめられなくなった世界。そして差し出したものは自分の伊織に関する記憶。こう考えるとここはすんなり納得できます。

ただこうなると伊織の根底を覆すことになりますよね。伊織が背負っていた責任は実は勘違い。もしくは星の涙による記憶改変のせいで。伊織が2番目に大切にしていたのは決して他人からの自分への思いなんてものではなかったということですよね。

 

そして伊織が星の涙の干渉を退けることができるのは実は星の涙の力のおかげ。

ではその対価はなにか。伊織のこれから先に起こる感情のすべて。

陽星のために使ったわけではないのならきっと伊織の願いはこっちが本当ということになると思いますが少し違和感がなくもないんですよね。

そもそもなぜ伊織は星の涙の干渉を防ぐことを願ったのか。誰かが星の涙を使いその影響を受けたがために二度とそうならないことを望んだというのが一番濃厚な理由でしょうか。

いろいろと可能性はありそうですが、そもそも伊織の認識を改変するために誰かが一度星の涙を使ったことは間違いなさそうですよね。

 

また幕間では遠野が与那城に星に涙を預けていたこと。そしてそれを再び取り戻しに来たことが明らかになっています。間違いなくキーになる遠野ですが彼はかつてこの力に頼ったことがあるのか、そしてナナさんとの関係も気になりますよね。

 

星の涙の記憶改変のおかげでかなり複雑に絡み合っている物語ですがそれがこの作品の面白さですよね。単調なストーリーではなく、様々な可能性が残されていて考察の予知があるのがすごくいいなと思います。

 

伊織が何を願ったかわからない以上、もしかすると流希の死も星の涙が関係していたりするのでしょうか。どっちにしろ、流希は大きなカギを握る人物だと思うのでそこら辺の謎が明らかになるのをこれからも楽しいに待ちたいと思います。

 

 

 

3巻は小識との物語で涙あり笑いありの物語が紡がれていました。そして同時にこの物語の1番のキーである星の涙についてもいろいろ語られた巻でもありました。

ここからストーリーがどのように展開していくのか。3巻が去年の10月発売だったのでそろそろ4巻の発売もあるのかな?続きが気になるので楽しみに待っていたいと思います!

 

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んで下さったかた、ありがとうございました。

 

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2巻 感想 ネタバレあり

どうも、今回もおさいもの感想を書いていきたいと思います。

 

今回もネタバレありで感想を書いていくので、まだ未読というかたはご注意ください。

 

 

 

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう!(著者:涼暮皐 イラスト:あやみ)

 

 

 

 

それではいきますね。

 

灯火の一件を終えた次の日、伊織は灯火とともに学校へ向かう途中で天ケ瀬まなつと出会う。そして衝撃の事実、伊織とまなつは付き合っているということが発覚する。

天使系後輩が付きまとうことに動揺を隠せない灯火と、さも当たり前のようにふるまう伊織。

星の涙により引き起こされた騒動が再び。

 

 

 

今回のあらすじはこんな感じです。

冒頭からかなり混乱させられました(笑)思わず1巻を確認しに行ってしまうほど。

まさか今回のヒロインが1巻では遠野の話に登場したのと、灯火の同級生として1度登場しただけのまなつだとは思わなかった......

当然この混乱は星の涙により引き起こされたもののわけですが、基本は伊織視点で進むこの物語では読者も星の涙の記憶改変に惑わされることになり物語に入り込める感じがして面白いなと思います。

 

 

 

まず1巻からの印象を改めたことが1つだけ。前回の話を読んだ感じ、星の涙の超常的な現象で伊織は感情の熱を失いかけていると思っていましたが、無理やり感情を押さえつけているというのが正しいようですね。

読者としては伊織の内心も見えてしまうので、感情が欠落しているといわれると違和感が少しありますが(笑)伊織の内心のツッコミは感情がないどころかかなり面白い性格だなと思います。

こころとの会話でも乗りツッコミを交えかなり軽快なやり取りをしていたように見えました。そういう意味では彼は心を無くしたのではなく、過去の責任から無くしたように演じているというのがしっくりきます。

 

 

 

伊織の話はこれくらいにして今回のメインとなった天ケ瀬まなつが望む願いについて。

伊織の彼女として彼女が接近してきたことは星の涙による影響ということは序盤でわかるわけですが、その理由はなにかと問われると中盤にいくまでは検討もつきませんでした。

 

この星の涙が発動する条件が願いの可能性を広めてくれて面白いなと思います。これが単純に願いが叶う石ということなら不可思議な現象が願いの答えになるわけですが、代償の可能性もあるわけですよね。そして叶えたい願いは失ったものでなければならない。ここに物語をより複雑にしてくれる要素があり読んでいてすごく面白い。

 

まなつの願いは伊織を中心に起こるもので、彼女の願いはかつての伊織を取り戻すこと。彼女にとって伊織は正義のヒーローであり、そんな彼が心を無くしてしまった状況を嘆いてのことでした。

まなつもまた、伊織と同様に助けられなかった人を救うために星の涙の奇跡に頼った少女。ただし異なっていたのはその代償。まなつが差し出したのは自分が持っている伊織との思いで。これは伊織とは似て非なるものですよね。まなつが大事なものは自分が他者に向ける思いであり、決して他者からの自分の思いではないわけです。

伊織にとってこの事実は少し残酷かもしれませんね。自分の罪を再認識させられるようなものかも。

 

 

 

そして今回の巻では新たな謎が生まれてきています。

まずは1つ目はまなつが星の涙を拾ったとに一緒に丘にいた人物。これは遠野で間違いないと思いますが、そうなるとさらに疑問が深まります。今までは伊織と最低限の距離を保ちながら関わってくる友人?ポジションンとして登場していましたが、その立場がガラッと変わります。もしかすると星の涙により遠野と伊織の関係に関する記憶も変えられていそうですよね。

 

2つ目はナナさんという人物。1巻でも登場し謎多きヒトではあった人物でしたが、2巻で伊織の未来を予知していたということがわかります。そして遠野とまなつに伊織には関わるなと助言した。さらにナナさんは小織とも深くかかわっていて。ほんとになんなのこの人......

 

そして最後に小織。伊織は冒頭でまなつを自分が認識できないかつての友達の見舞いに連れて行っていました。そしてそこのネームプレートにあった名前は生原小織。

伊織の記憶から消えた人物を名乗る少女は一体何者なのか。次回の巻で分かりそうなので期待したいです。

 

それにしてもこの物語に名前が出ている人物は少なからず全員星の涙に深くかかわっていそうですよね。遠野をはじめとして、もしかしたら陽星や与那城も同様に星の涙になにかを願ったことがあるのかも?

それぞれの願いとその代償によりかなり複雑な状況になっていそう。

 

 

 

この作品は本当にラブコメなのか??と疑問が強くなる2巻でしたがヒロインたちはすごい可愛かったです!

前回のメインの灯火は完全にポンコツヒロインになっていて1巻の裏のある部分はどこにいったというくらいな残念感(笑)そこが灯火の可愛いところですが。

 

またまなつもすっごい良かったですね。伊織と中学のころに遊んでいた「男友達」で高校では天使のような少女と言われる美少女。しかし巣の性格は少し乱暴で毒舌で不器用。それでいて本当に人のことを思えるやさしさがあって。

彼女の伊織を思う気持ちはすごく尊い。自分を犠牲にしてでも伊織には笑っていてほしい。ほんとにいい子!

 

 

 

そんなこんなでまた新たな謎と問題が起きそうなところで終わった今回。

最終的にはラブコメっぽい雰囲気になりましたが、果たしてこの先どう進んでいくのか。次回の巻も続けて読んでいきたいと思います。

 

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んで下さったかたありがとうございました。