とうかのブログ

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ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編4巻 感想 ネタバレあり 《無人島後半戦》

今回は先月に発売されたよう実の4巻の感想を書いていきたいと思います。

 

今回もネタバレありで書いていくので、まだ未読という方はご注意ください。

 

 

 

ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4(著者:衣笠彰梧 イラスト:トモセシュンサク

 

 

 

 

それではいきますね。

 

今回の巻は前回に引き続き無人島試験について描かれていました。

前回描かれなかったホワイトルーム生の動き、そして各学年により繰り広げられる試験に対する戦術などたいへんボリュームのある内容になっていて楽しめました。

今回の感想はいくつかの項目にわけて感想を詳しく語っていきたいと思います。

 

 

 

まずはホワイトルーム生について。

今回の巻でホワイトルーム生の一人が天沢一花で確定しました。ただし彼女の目的は綾小路の退学ではなく、綾小路を援助すること。天沢は綾小路に憧れていて、その実力を確かめるために今まで綾小路を試していたということが判明しました。

天沢に関してはこれまでの巻、とくに櫛田とのやり取りで明らかに常軌を逸した様子を見せていたのでホワイトルーム生と言われて納得しましたね。

今回は序盤に綾小路に正体を明かし、そのあとも堀北達への妨害、そして腹部に受けた謎の傷などかなりかき乱した存在だったように思います。

 

そしてHRの刺客の一人が天沢と確定したと同時に、HRの生徒が複数人いることが発覚しました。宝泉と七瀬は除外して考えると、候補は椿、宇都宮、八神の三人になります。基本的に全員怪しいですよね(笑)一人ひとり今回の動きについてまとめてみたいと思います。

 

まず椿。彼女は今回のポイントにもなった綾小路包囲網を取り仕切った人物の一人。

計画自体は失敗に終わりましたがかなり頭が切れることは間違いない人物でした。そしてなにより今回言及された”退学を恐れない”というこの学校においてかなり珍しい人物の一人。

今回の作戦決行がどこまで力をいれたものだったのかはわからないけれどもし本気でやっていたのだとしたら、少し作戦に穴があったのが気になる点ではあります。八神に指摘されていた内容を椿が読めていなかったこともないと思うので、今回わざと宝泉がどこまで通用するかを見たかっただけの可能性も?

また椿で気になるのは宇都宮との関係性ですね。彼女の発言によれば宇都宮は唯一信頼できる人物であるということ。そして宇都宮が姿を消したときみせた動揺はなぜなのかということ。ここら辺は今の段階ではまだわからないですね。

 

そして先ほど名前を挙げた宇都宮。彼は前回の話では椿に従うだけの力自慢の人物だと思われましたが、今回トランシーバーの相手と不穏なやり取りをしていて謎が深まった人物の一人だったと思います。

鬼頭が来た時に単独で迎え撃ちわざと指揮者を椿だと思わせるように仕向けていて、その行動を椿に問われたときに少し動揺を見せていました。この動揺は核心を突かれた質問だからなのか、それとも椿に疑問を抱かせるための演技だったのか。

そしてトランシーバーの相手との会話から目的は椿の計画を失敗させることだったと分かります。この時に語られた「早めの警告を出す必要がなかった」という内容。これは七瀬による綾小路への密告をしめしていたのか、それとは別の方法で椿の作戦を筒抜けにしていたのか、これも判断が難しいかなと思います。前者ならば、七瀬への間違った作戦日の報告は宝泉によるものだと分かっていたので、それすらも見越していたということになるんですかね。もしくは七瀬が実は……まあこれはほぼありえないとは思いますが。

 

最後に八神について。個人的には八神がHRの刺客であるのが一番しっくりくるかなと思います。

前回の巻で行われた櫛田への情報操作、おそらく宇都宮とトランシーバーでやり取りをしていたと思われること、そして堀北に渡した紙に書かれた文字についてわざわざ言及されたこと。これらの要素を踏まえると一番濃厚のような気がします。

また彼は綾小路包囲の前日、試験12日目に腕時計を壊していて、それより以前にも一度腕時計を故障させていることが明らかになっています。

なんかいろいろと怪しいですよね。宇都宮とトランシーバーで会話していた相手が誰かは正確にはわかっていませんが、敬語であった点、そして椿をわざと黒幕だと思わせた点を考えるとほぼ八神で間違いないと思います。そう考えると試験の動きをしっかりと把握できていたのは八神であり、綾小路を含める2年生の動き、そして1年や3年の動きも理解したうえで”ゲーム”として楽しんでいたというのはしっくりくるのではと思ったりします。

そして上でもかいた手紙の文字。これはほかの方も多く考察している点ですが、2巻で八神が櫛田や綾小路と対面したときに、予約表にかいた文字がとてもきれいであったと書かれています。そして今回の手紙にも堀北からみてもきれいと思える文字であること。わざわざ文字のきれいさについて二度も述べているのは気になりますね。

 

 

 

そして次に語りたいのは今回も回収されなかった謎の人物について

前回の巻で小宮達を落とした人物、そして最後に木の棒を持っていた人物。そして天沢に深手を負わせた人物。これらの人物については今回の巻でも描かれませんでした。

ただ同じ場面に天沢が深くかかわっていることからホワイトルーム生であることはほぼ間違いないかと。この犯人が分かるのはHR生が明らかになった時になるのかな。

今のところ腕時計を壊したことがあきらかになっている一年生は八神と宇都宮の2人でこの二人である可能性が高いとは思いますが、小宮達を落とした理由は何だったのか。この動機の部分がまったくわからない。またこの人物は月城に対してどういう立場をとっているのかも不明。

ここら辺んの謎についても4.5巻で描いてくれたら嬉しいかなと思います。

 

 

 

続いて月城の作戦

今回は月城は武力行使という大胆な手を使ってきました。最初はここまで追い詰められたのかと思いましたが、まだ底を見せていない様子。そして綾小路にも指摘されていたように退学のために本当に手段を択ばないのならもっと方法があったということ。

それらを踏まえると月城にも彼なりの考えがあり綾小路に対してアプローチをしていたことになりますね。

これまでの話では月城は今回の負けにより完全に詰みだと思っていましたが、最後の場面を見るとまだこの学園に居残るつもりなのかなとも思わされたり。

また月城関連で、天沢が独白で語っていた付き合いが長い相手というのは果たして月城のことなのかということ。月城たちによれば天沢の堀北達の妨害は彼女なりの義理と書かれていて、一見彼女が情をかけている相手は月城だと思いますが、綾小路よりも付き合いが長いというのが気になります。綾小路が以前から月城を知っている様子はなかったためHR生が以前から大人の人と長い付き合いをしているのかというと疑問が残らなくもないです。このように考えると天沢の独白は月城に対してではなく、同じくホワイトルームで育ったもう一人の刺客に対するものなのかなと思ったりもします。

まあここら辺は後々明らかになると思うので期待しています。

 

 

 

ここまではホワイトルームに関わる感想。

しかし今回は2年生の中心核の人物たちもかなり活躍した回だったと思います。

個人的に熱かったのは坂柳、綾小路、龍園の共闘。それぞれの思惑はありますが、一時的に綾小路を守るために二人が協力をしているのは今までの物語を読んでいるからこそよかった。

特に龍園VS宝泉の戦いは龍園の良さが詰め込まれていて最高でした。宝泉に馬乗りに殴る龍園も7巻の時に綾小路にやられたときの再現のようで個人的にはたまらないポイントでしたね。

この時に龍園と坂柳の間で交わされた約束というのも気になります。龍園がリタイアすることよりも選んだこととは一体何なのか。

 

また一之瀬の行動もよかった!今までクラスのことを第一に行動してきた一之瀬がクラスよりも綾小路を優先することを選んだ場面。まさかここで綾小路に告白するとは思わなかった。それに対する綾小路の反応もなかなかなものですよね。

現在は軽井沢と付き合っているけどこれは次の巻あたりで不穏な空気が流れるかも?

個人的には軽井沢推しなので、あの返事は試験に影響が出ないようにの配慮だと思いたい……

ただここで描かれていた大きな分岐点というのがやっぱり気になる。

それにしても綾小路の一之瀬への思いっていうのはなんなんでしょうね。七瀬のところでも書かれていたように、綾小路は基本的に自分に利益があるかどうかで判断してそうなので恋愛関係になっても綾小路が本気でだれかを好きになる展開は今後訪れるのか。

これは4.5巻に期待したいと思います。

 

 

 

最後に南雲と高円寺、そしてそのほかの面々について。

今回の試験でトップを独走していた二つのグループ。

南雲は試験が始まったときから試験を支配していて何事もなければ1位を獲得することは容易かった模様。しかし踏み込んではいけない領域に踏み入れてしまいましたね……

今回ので完全に格付けが済んでしまったので南雲が綾小路を追い詰める展開は今後あり得ないのかなと思ったり。一応綾小路からは南雲の実力を買われていたみたいなので、今後少しでも活躍させてあげてほしい。これで終わったらさすがに不憫かな(笑)

 

そしてそんな南雲に綾小路が間接的に手助けした形にはなりましたが勝った高円寺。

間違いなく化け物の一人。今後クラスに貢献しなくてもいいという確約をうけどう行動するのか。まだまだそこが見えない実力には期待したいですね。

 

また今回の巻で登場しなかったキャラもちらほら。まずは今までしっかりと爪痕を残していた軽井沢。彼女の出番がなんと全くありませんでした。そのほかにも前回ぼろぼろにされた櫛田や綾小路グループの面々、また葛城の動きも描かれていません。

登場人物が増えた分描ききれない部分が出るのは仕方がないとは思いますが、既存キャラにも魅力的な人が多いのでもう少し出番が欲しかった。

 

 

 

ながながと書いてきましたがそろそろまとめていきますね。

今回の巻は全体としたはやっぱりよう実らしく面白かったと思います。特に2年生の共闘は個人的にはかなりテンションが上がりました。

ただその反面、試験突破のカギが暴力のみになっていてそこは少し物足りなさを覚えました。よう実は1年生編では頭脳戦が繰り広げられていてそこに面白さがあったと思うのですが、2年生編に入り暴力で勝てない人に出番が少なくなっているのが少し気になります。またキャラが多くなってきてこれまで掘り下げられていたエピソードが少し浅くなっているのもさみしさがあったりもします。これは4.5巻で描かれることも多いと思うのでそこに期待かな。

それにしても今回、綾小路をはじめとしたホワイトルーム生たちの異次元が浮き彫りになりそれ以外の生徒の弱さが目立っていましたね。七瀬や堀北、櫛田、そして南雲など少し実力不足が否めない感じがしました。

今後は武力のみではない試験も行われると思うので、今までのキャラたちの活躍もみられる展開を期待したいです。そしてホワイトルーム生たちとの戦いがどのように進んでいくのか。4.5巻を楽しみに待ちたいと思います!

 

 

 

ではこの辺で。最後まで読んで下さったかたありがとうございます。