とうかのブログ

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1LDK、そして2JK。Ⅳ 感想 ネタバレあり

1LDK、そして2JK。の最終巻である4巻を読み終えたので感想のほうを書いていきたいと思います。

 

今回もネタバレありで書いていくので、まだ未読という方はご注意ください。

 

 

 

LDK、そして2JK。Ⅳ~3つの結末、それは4人の未来~(著者:福山陽士 イラスト:シソ)

 

 

 

それではいきます。

 

今回の巻はサブタイトルからも分かる通り3人の関係が結末を迎えることになります。やっぱり最終巻は少し寂しいですね。物語に終わりはつきものだけど何回経験しても慣れない……

 

 

前回は奏音の母親の登場、そしてひまりを連れ戻しに来た美実との遭遇で物語が終わっていましたが、そこに関しては4巻の序盤でひとまずの解決を迎えます。

奏音と母親の関係は、母親が奏音に弱さを見せていないことから起こってしまったものでした。母親の弱さを理解しそれを受け入れることができた奏音は最初よりも強く成長していて、和輝とひまりとの生活が彼女を変えたのだろうと思わされましたね。

 

またひまりのほうも、美実とは自分の気持ちをしっかりと伝えることで一時的には解決しました。親との和解の流れはこの作品では描かれていませんでしたが、最後にひまりが本を出版していることからも真剣にぶつかりあえたのだと分かります。

決して両親も悪い人ではなかったのが良かったかなと思います。読み始めたころは家庭でかなりの扱いを受けていてトラウマになって出てきたのかと思っていましたが、美実の話では親も憔悴していたとのことで少なからず反省できる人だったのかなとは思います。

 

 

そんなこんなで二人の家庭の事情は思っていたよりあっさり解決しました。

そして残るのは和輝と二人のJKの別れ。

ひまりは親のもとへ帰るため、奏音もまた母親が戻ってきたことにより夏休みまでの期限が設けられ、3人の暮らしの終わりの近さを感じるようになりました。

前回のキャンプ、そして3人でいったショッピングモール。この先振り返ったときに、この関係を思い出せるようにと一つずつ軌跡を残していきます。

個人的には別れの前夜に家で過ごす3人がとても微笑ましく思えました。あそこで思い出をつくりにどこかに行くのではなく、最初は奇妙でけれども今は当たり前の和輝の家で三人笑顔で夜を過ごしていたのはすごくよかったです。

 

ひまりとの和輝の別れ。ひまりは和輝に”このマンションにきたのは奏音ちゃんだけ”と語ったときは思わず涙が出ました。ひまりを含め3人で過ごした事実は絶対に知られてはいけないもので、それでもやっぱり切ない。それくらいにこの三人の過ごした日常は素晴らしいものだったように思います。

ひまりの笑顔はこれから前に進んでいく彼女の姿を想像させる本当にきれいなもので、そのイラストもほんとに最高です。

 

そしてひまりが去った後の奏音との時間。この時に奏音と和輝は特になにもせずに過ごすんですよね。奏音も和輝もこの関係はひまりがあってのものだと思っているからこそだったのでしょうかね。

クリームパスタのくだりは奏音の精一杯の悪あがきで、それでもめちゃくちゃ可愛かった。

 

別れの話では和輝は関係ないですがひまりのバイト先の話もすごい好きです。

ひまりに別れを告げてくれるみんなが本当に優しくて。ひまりがこんないい人たちに出会えてよかったと読んでる自分も親目線で見守っている感覚でした。あの場面もめっちゃうるうる来た......

 

 

この話を読んでいて感じたのは和輝の気持ちがどこに向かっているのかわからないということでした。奏音にもひまりにもそして友梨にも、みんなに対して特別な思いが向けられているような気がしてどんな結末を迎えるのか気になっていたんですよね。

和輝はそれぞれに独占欲のようなものがあり、唯一友梨に対するものだけが恋心なのか?なんて思っていましたが最後の結末を読んだら全員に対して好意はあったんだなと思いました。

恋の決着は作中でははっきりと明言せずそれぞれのIFルートを作るのはこの作品ではありだったのかなと思います。

個人的にもどのヒロインも魅力的だったのでもしもの先を読めたのは嬉しかったです。

 

 

いろいろとありましたが突如訪れた独身サラリーマンと二人のJKの同居生活にはピリオドが打たれました。和輝が二人がいなくなった部屋で感じる静けさには当然さみしさはありましたが、それでも別れは前向きなもので心はどこか晴れやかな気分になれました。

こういった非日常のなかで起こる日常的な出来事を描いた作品ってすっごいいいですよね。物語に劇的な展開が起こるわけではないけど、何気なく過ごす日々の出来事には温かさがあって。

最終巻が発売されてから読むことになってしまいましたがもっと早くからこの作品を読んでればなと思わされます。ほんとにこの作品に出合えてよかった。

 

作者の福山先生、イラスレーターのシソ先生、素敵な作品をありがとうございます!

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。