さよなら異世界、またきて明日Ⅱ 感想 ネタバレあり
どうも、とうかです。今回はさよなら異世界、またきて明日の2巻をようやく読み終えたのでその感想を書いていきたいと思います。
今回もネタバレありで感想を書いていくので、未読の方はご注意ください。
さよなら異世界、またきて明日Ⅱ 旅する轍と希望の箱(著者:風見鶏 イラスト:にもし)
では行きますね。
舞台は人類が滅びゆく世界。そんな終末の世界に転移した高校生のケースケは、旅の途中で銀髪ハーフエルフのニトと出会ったことをきっかけに人と出会い別れを経験していく。この作品はそんな寂しい世界のなかで紡がれる人と人とのつながりを温かく描いてくれています。
なんていうかこの作品って素敵ですよね。舞台は終わりゆく世界ですでに多くの人が結晶となって死んでしまっている。自分自身もいつ死ぬかもわからなくそれに対応するすべもない。生き残った人たちはいつ終わるかもわからない世界を生きているんです。
そんなある意味絶望的でさみしい世界なのにこの世界には確かな温かさがあって。
それはケースケやニトが旅をするなかで出会う人々とのつながりにより生み出されるものなんですよね。
2人と出会い生まれる「希望」が読んでてとても心温かくなります。
ファゴさんとポールさんの最後のやり取りとかはつい微笑んでしまうくらい幸せにあふれた時間が流れていたなと。
2人の間にあったすれ違いは本人たちのなかでは大きく、けれども実際には一歩を踏み出す勇気だけが必要で。それを支えたニトやジルさんの思いも胸がジーンとなりましたね。誰かとかかわることで生まれる思いやる気持ちがこの世界だからこそ大切だと気付けるような気がします。
モンテさんの小説もすごい素敵だったと思います。自分の娘のために書いた小説。その最後を娘に見せることができずに終わってしまい、モンテさんにとっては終わりゆく世界での希望はその小説を娘に見せるために天国へ行くこと。
いつ死ぬかもわからない世界だからこそ、希望というものがとても美しい。
他にもケースケのシャロルへの依頼もよかった。
希望を届ける”届け屋”って夢がありますよね。この世界に残された人々に明日を生きる希望を与え、そして目的を果たしてしまったシャロルの新しい希望になり。
シャロルが満面の笑みで笑う挿絵も最高です。
そしてこの作品ときっては離せないのが別れ。前回もですけどやっぱり別れはさみしいですね。特にシャロルとの別れはかなりうるってきました。
「また明日」って言葉にこれだけ感動することもなんじゃないかなと思います。
タイトルの「さよなら異世界、またきて明日」のセンスが本当にすごい。
この作品の何気ないやり取りはとてもステキで心温められます。続刊が出たら必ず買います。
では今回はこの辺で。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。