とうかのブログ

気ままにラノベ、アニメ、漫画等の紹介、感想などを書いていきます

星降る夜になったら 感想 ネタバレあり

 どうもとうかです。早速今回読んだ本の感想を書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

星降る夜になったら(著者:あまさきみりと イラスト:Nagu)

 

 今回読んだ本はこちらの作品。角川スニーカー文庫で刊行されている「キミの忘れかたを教えて」の著者、あまさきみりと先生がMF文庫のほうで出版した作品になっています。では早速感想のほうを。

 今回も前回の記事と同様に最初からネタバレを含めて感想を書いてしまうので、まだこの本を読んでない方はこの記事を閉じることをお勧めします。

 

 

 前作?にあたるキミの忘れかたを教えてでもちょっぴり切ない恋愛を描いてくれて感動を読者に与えてくれましたが、今回の作品も負けじと感動的な話でした。

 今作では、希望と慰めを与える「スノードロップ彗星」とよばれる超常現象によって、未来を与えられた少女、渡良瀬佳乃と主人公である花菱准汰の出会いと別れの物語を描いています。

 花菱は高校三年の男子高校生。周りが受験勉強をしている時期に友達と遊ぶことに時間を費やしていた。花菱は将来のとくにやりたいことがなく、友達との時間も惰性で続けているもので虚無感を感じていた。そんな彼は留年を防ぐため、美術の補習を教師の登坂から言い渡され、そこで美術室でひとり絵を描く少女に出会う。少女の絵に向き合う真剣さに自分の中にはないものを感じ、そしてなにより彼女の絵に魅せられ彼女を気に掛けるように……

 

 物語の冒頭はこんな感じ。登場人物は少なく、主に花菱渡良瀬、彼女の叔父であり花菱の教師である登坂、そして花菱の親のコーヒー店で働く伊澄さんを中心に物語が描かれています。

 

 物語が動き出すのは中盤。花菱と渡良瀬の距離が縮まってきたところで起きた渡良瀬の異変。そこで明かされる花菱と渡良瀬の出会い。また登坂と伊澄さんの関係、スノードロップ彗星の真実。他人のために願いを祈るとその人の感情を奪い取り、自分のために祈ると死に至る。伊澄さんの重要なキャラ感は最初からあったけど、真実が分かった時は全部が府に落ちたし、そのときに同時に襲ってくるやるせなさみたいなのがとてもつらくて、、、花菱が佳乃を生かした世界戦で伊澄さんが佳乃と話す場面は自然と涙がつたっていました。気づいたら涙が出ている普通の涙とは少し違う感じ。深いところに訴えかけてくるような感動があった気がします。

 感動に持っていくまでの心情描写というのはやはりさすがで、感情を無くしてしまった二人のなかにも確かに大切にしていた軸みたいなものを感じらる文章でした。

 絶対に二人が笑った未来はやってこない世界で、読んでいる最中はとてもつらかったけど読み終わってみると佳乃が願ったことにより生まれた花菱と佳乃の2人の時間というのは本当に奇跡的なもので、だからこそ最高に美しいものだったのかなと。佳乃が再び彗星に願ったのはそんな奇跡みたいな時間をなにより大切にしていたからなのかなと思いました。

 

 今回の作品はSFが混じった恋愛もので、そういった作風が好みならぜひ読んでみてほしいと思えるような作品でした。