日和ちゃんのお願いは絶対 読了感想
どうもお久しぶりです。今回は久しぶりにラノベを読むことができたので感想を書いていきたいと思います。
日和ちゃんのお願いは絶対(著者:岬鷺宮 イラスト:堀泉インコ)
今回読んだ作品は、電撃文庫で三角の距離は限りないゼロを書いている岬鷺宮先生の新作です。では早速あらすじから
・あらすじ
普通の男子高校生の主人公「頃橋深春」とヒロインの「葉群日和」の紡ぐ恋愛物語です。今作のヒロイン日和は「お願い」の力をもっていて、自分のお願いを聞いた相手に絶対服従をさせる能力があります。「私のお願いは絶対なの。」そんな彼女の秘密を知ってから動き出す非日常を少し感じられる物語です。
・感想(ネタバレなし)
今回の作品は非日常の中にある、高校生の恋愛を上手に描いた作品だと思いました。個人的に良かった点は、主人公の無力な感じでした。ライトノベルの主人公はいきなり変わった状況に巻き込まれたとき、非日常の生活に飛び込み、活躍していくイメージがあり今作もそのような展開になるものだと思っていました。しかし読み進めていくとSFものなのにあくまで恋愛が中心であり、SF要素は二人の恋愛を盛り上げる要素になっていたのかなと思います。主人公がとびぬけていない分、読者としても感情移入しやすく、主人公の行動によくやったと思ったり、逆にいらいらしたりと入り込める作品いになっていました。
岬先生が描く、厳しい現実を乗り越えながらもその状況に向き合い、互いの関係を探っていく、そんな物語がとても好きです。
ここから少しだけネタバレを含めて感想を書いていきます。未読の方はここで読むのを中断することをお勧めします。
※ネタバレあり 未読者注意
感想(ネタバレ)
天命評議会という組織に関わる今作ヒロインの日和。絶大な力から世界を動かす彼女の隣に立つことになった主人公の深春でしたが、関わりたいのにかかわることのできない無力さというのがとても読んでいてつらかったです。私自身も世の中を動かす女の子が自分の彼女になり、少しでも彼女の力になりたいと思うと思います。そんな状況にいながらいつも通りの生活を送ることしかできず、自分の行動のために悲しい結末を迎えてしまう。そんな辛い出来事を経験してしまった深春にとても同情しました。フィクションなのに現実の厳しさが伝わってきましたね。
個人的とてもよかったシーンが日和が深春に忘れた記憶を思い出すようにお願いするシーン。日和が心から深春にひかれていて、その思い出を大切にしていたのだと伝わってきました。彼女も普通の高校生であり、年齢に見合った恋をする。そこに絶大な力があったとしても、どんな修羅場を超えてきた少女でも、そのことは変わらない。高校生のまっすぐな恋愛をSFの世界観を通して感じることができました。
では最後に簡単に。
普通の恋愛小説とは少し違った、高校生たちのちょっぴり非日常、だけどまっすぐな恋愛。個人的には結構好きな世界観で読みやすい作品でした!