とうかのブログ

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貴サークルは”救世主”に配置されました 感想 ネタバレあり

どうも、とうかです。今回はGA文庫大賞で金賞を獲得した作品の1つである「貴サークルは”救世主”に配置されましたの感想のほうを書いていきたいと思います。

 

今回もネタバレありで感想のほうを書いていくので、まだ未読という方はご注意ください。

 

 

 

貴サークルは”救世主”に配置されました(著者:小田一文 イラスト:肋兵器)

 

 

 

 

では行きますね。

 

 

まずはあらすじのほうから。

 

大学生で底辺同人作家の星夜騎士は、ある日突如現れた女子高生・時守緋芽に魔王の復活を阻止して世界を救ってほしいと頼まれる。中二病をこじらせた少女かと思われた緋芽だったが、本当に魔王と戦う力を持つ少女であり……

魔王と同人誌が関係しているかの真相は定かではないが、確かに世界に危機が迫っていることを悟ったナイトは緋芽とともに同人誌を100部売ることを目標に動き出す。

 

 

 

この作品は同人活動というクリエイター要素と、本当に戦うファンタジー要素が合わさったかなり珍しい作品だったと思います。ヒロインの緋芽は時を渡る能力の保持者で今まで何度も未来を経験しては世界の終わりを見届けてきたという異例の経歴をもつ少女。

この設定ながら、魔王の復活を阻止するのが同人誌というのがこの作品の面白いところですよね。

 

 

主人公は戦うために必要な霊力をもっていないただの一般人。それでも緋芽は救世主と信じて疑わずまっすぐナイトをサポートするんですけど、本当に献身的で。緋芽の目標の世界を救うことと、同人活動というギャップが個人的には刺さりましたね。

しかも読み進めているとその熱意が本物で、いつしか本当に読んでるこっちも心に火が付くような感覚になってきて。ここはやっぱりクリエイターものならではの熱さがあってよかったです。

特に冬コミで最初から買いに来てくれた人がいた時はナイトに感情移入しちゃって感動しました。やっぱりみんなで作り上げたものの成果がでるっていう展開は王道だけどいいものですよね。

ナイトが喧嘩吹っ掛けてきた人のことなんて気にしてなかったのも個人的には良かったなと思いましたね。

 

 

 

そしてこの作品、ナイトの視点以外で緋芽からの視点で描かれている部分が何回かあったんですが、そこで綴られる物語のギャップがすごい良かったです。緋芽が過去に経験してきた出来事。その絶望。かつての仲間たちとのやり取りに散りばめられた謎の数々。短いながらにかなり重要な内容が多かった印象。

また全部読み終わった後にプロローグAのサブタイを見るとなんかグッときました。地獄への回帰。98回もくりかえし救えなかった彼女の心情を的確に表したタイトルだなと。だからこそナイトたちと過ごす日常がほほえましくもあったり。

 

あとは最後の戦闘シーンでしょうか。能面がヴァージニアだったのはかなりの衝撃。確かに過去のやり取りを見てたらちゃんとヒントがあって驚きでしたね。

絶望的な世界の中で緋芽との約束を守るためだけに世界を滅ぼそうとするヴァージニア。そんな彼女も最後は緋芽を守るために何も言葉を残さず消えてしまいました。

緋芽の気もち考えるとかなりつらい展開でしたね。裏切られた上にまたも絶望を味わうのはさすがに……

完全なハッピーエンドで終わらせてくれないのはナイトの作風と同じなのかな?

 

 

 

最後には魔王の正体がフードの少女ということも分かり、今後どう物語が進むのか楽しみですね。メイドロボも緋芽もすごい可愛かったしこの作品は2巻出たら速攻買います!

 

 

では今回はこの辺で。最後まで読んで下さった方ありがとうございました。